グライダーで飛んでたなんて、いまでは信じられない経験。



「学生時代ってなにしてたん??」
って質問されて、一番に頭に浮かぶのは航空部のこと。「なんで航空部に入ったのか?」って自分でもよく考えたことなかったので、ブログに書いてみたいと思います(^^)




高校からの推薦で入った「九州工業大学工学部電気工学科」。中学時代から憧れていた音響メーカーのPioneerに就職したくて入った工学部。でしたが、、、


1年の前期から、勉強についていけずに単位を落としてしまいました。。2年の途中で留年が決まり、「ここに私の未来は見えない」と決意して退学。たった一年半の大学生活でしたが、わたしが得れたものは航空部との出会いと、そこでの経験でした。



ライセンス取ったわけでもないし、たった一年半(発航40回)しかやってないので、私がグライダーを語っていいものか、、、と思っていましたが、「グライダー」というものを知らない人の方が多いと思いますし、「自分で空を飛ぶ」という選択をしてきた人も少ないと思うので、ちょっと書かせてください(^^)




なぜ航空部を選んだのか??


高2の時に見た九工大のパンフレットに、航空部の写真が載っていたんです。大草原にグライダーがある写真。これに無性に惹かれました。
下矢印こんな感じの写真だったかな〜。


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空に興味がありました。
小学校6年生の時。算数を教えてくれていた先生が、秋祭りの時にバルーンをあげてくれたことがありました。その日は風が強く、地面から上がることはない係留だけでしたが、空を飛ぶ先生にとても憧れて。空に興味持つようになりました。

今思えば、その先生おかげで理系が好きになったのかも。
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(佐賀のバルーンフェスタに毎年行っていますが、バルーンを見上げると交通事故で亡くなってしまったその先生のことを思い出します。)






「空を飛ぶ飛行機を自分で操縦できるなんて!風を感じて飛んでみたい!」
  
大学に入学して、パンフレットで見ていた航空部のチラシを女子トイレで発見!!!人見知り200%だった私は勇気を振り絞って、部員募集の電話番号に電話を掛けました。

高い所も苦手だし、飛行機にほどんど乗ったこともありませんでしたが、「いましか出来ないことをやってみたい!!」って気持ちだけが背中を押してくれました。


いま思えば私の人生の中で結構大きな決断。





グライダーというのは、エンジンの付いていない2人乗りor1人乗りの飛行機のこと。
鳥人間?と聞かれることもしばしばですが、グライダーはメーカーが制作販売している飛行機です。  前席に訓練生。後席には教官が乗って、自動車教習所のような感じで訓練を重ねていきます。



下矢印大学時代に乗っていたのは、主にこの2機。


①ドイツのアレクサンダーシュライハー社製
ASK-13 「千里」
全幅16.00m  全長8.18m 定員2 自重290kg
最良滑空比 27 (1m降下する間に27m進めるっこと)
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②ポーランド製  PZL-ビエルスコ式SZD-50-3”プハッチ”型    「蒼穹」

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この機体を巨大な凧揚げ(たこあげ)の要領で飛ばします。曳航して400メートル程上空に上げてもらったあとは、上昇気流を捉えてサーマリング&滑空するスカイスポーツ!



山の斜面に当たってできる上昇気流を使う「山岳滑翔」が出来る大分県久住山。そこが主な訓練の場でした。紅葉が綺麗な久住山を40分滞空したことがあります。憧れの教官とのフライトは、いまでも鮮明に覚えいます♡



なにせ、エンジンは付いていません。
鳥がクルクル回っているところには上昇気流があるサイン。雲が薄っすら出来始めてる所もサインだと教えてもらいました。


風の向きと機首の上下、左右、回転方向を頭の中で組み立てて操縦するのですが、、これが私には難しかった、、、(^_^;) 在籍の間に40発飛びましたが、頭フル回転もこの感覚を身につけることは出来ませんでした。


ですが、このグライダーを飛ばすためにはたくさんの役割が必要で、個々の役割を責任持ってやることに充実感がありました。合宿での訓練もとっても楽しかった!


気象や航空力学の勉強を家庭教師のように教えてくださった先輩がいて、空を見上げるのが日課になりました。いまでも雲を見上げると、その先輩の解説が聞こえてきそうな程です。



飛ぶことに対して熱い先輩は、フライトのことになると止まらない想いをドンドン語ってくださいました。空を飛ぶことももちろんですが、わたしの知らないことを沢山知ってる熱い先輩達に憧れて、部活を続けていました。



グライダーの訓練は、大分県久住滑空場と熊本県白川河川敷滑空場で行なっていました。
下矢印大草原の中の久住滑空場
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部活を去って半年後、ここでグライダーの事故があり同期の友人とお世話になった教官を亡くしました。事故後にまたこの滑空場を安全を確保し直して、復活させる為には、大変な努力だったと思います。

一年に一度は滑空場へ行って、久住山を見ながらしばらく想いを寄せています。


バルーンに乗せてくれた先生。
グライダーを教えて下さった教官。
航空部で長い時間を共にした同期。

亡くなってしまった人を思いながら空を見上げ、毎日を楽しく生きていることを本当に感謝しています。




飛行機に乗ることはなかなかありませんが、筑紫野の空には毎日たくさんの旅客機が見れますし、福岡の都市高速を走る時なんて飛行機と並走できる事もありますよね!あの時は、めっちゃテンション上がるんです!!(^^)

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やってみたいことに自分でセーブを掛けたり、やり始めることにパワーが出せなかったりする時もあるけど、やり出した先には沢山の人との出会いがあって、そこから自分の人生の幅が広がっていく。




あの時、勇気出して良かったなぁ〜。

部員募集に電話したときの、あのパカパカケータイを握りしめた手を今でも思い出せます。

その部員募集のチラシが前年のもので、現役引退した先輩のケータイに繋がっちゃったのは笑える話。工学部の部活には女子部員なんていなくて、女子トイレのチラシはずっと貼りっぱなしになってたんだな。。

でも、、、航空部に入って良かった(^^)


これからも、やりたいことにはチャレンジする自分でいたいと思います♪ではでは今日はこの辺で。