■Neumann EA87タイプ
超定番マイクNeumann U-87aiの純正ショックマウントEA87やRODE SM6などのようなマイク下部のコネクタパイプに刻まれたネジ溝を専用のナット(Bottom Screw)で固定用のフランジに締め付けるショックマウントで、スパイダータイプと呼ばれています。胴部分のサイズが上下で異なったり曲線だったりするタイプのマイクや、胴部分の真ん中に操作スイッチがあるタイプのマイクには前記事の汎用ショックマウントよりもこのタイプが向いています。しかしこのマウント向けのネジ溝を持たないマイクには買っても使えません。




私個人はこのタイプのマウントに対応したマイクをあまり持っていません。CAD M179がこのタイプで購入時に同型のマウントが付属していました。しかしスタジオで他のマイクを吊るマウントとして改造してしまい部品が散逸してしまいましたので、今回あらためて購入してみました。お値段は約2500円とこれまで中国から輸入してきたマイクホルダーの中では最も高価でしたが、それでもU-87ai純正のEA87がマウント単体で5万円以上することを考えると超激安です(EA87はいくらなんでもボリ過ぎじゃありませんかねえ……)。色はシャンパンゴールドと黒があり、黒を購入。黒を選択したのは替えゴムの入手性が高く、塗装が剥がれた時に塗り直ししやすいためです。

今回輸入した製品には専用のナット4種類が付属していました。


実際にM179をマウントしてみるとM179付属のナットでは中華マウントのフランジの穴(直径27mm)をナットそのものが通り抜けてしまい固定できません。


中華マウントに付属してきたナットの中から長さが適当なものを選んで締めるとしっかり固定できました。



フランジ上面にはフェルトが貼ってありマイクの底面を保護します。


意外なことに激安マイクとして有名なBM-800にもこのマウントが装着できます。同マイクにはナット用の溝があるもののナットそのものは付属していないので、こちらもマウント付属のナットを使って固定してみました。マイク本体よりマウントのほうが高価(苦笑)。




U-87aは付属のナットのうち、一番長いナットを使って固定できました。


おそらくRODE NT-2Aの他、MXL-V67GやMXL2003A等もこのマウントで吊れるのではないかと思います。国内で入手が容易で安価な汎用品としてはMXL USM-001が同等に使えるのではないかと思いますが、専用ナットは付属しません。

【購入先】
Century 3C Tech Store
https://ja.aliexpress.com/item/1005005690402349.html

寸法 長さ190mm 高さ125mm リング部直径115mm
重量 353g
価格 2432円(送料無料)
※記載の価格は購入時のもので現在の価格やショップページの画像とは異なります。
備考 全金属製。変換ネジと予備ゴムは付属せず。マイク固定用のアルミ製専用ナット4種類が付属。

【使い勝手など】
今回輸入した品はまだ実戦投入しておらず、触った感じと以前使っていたM179の付属品の印象になりますが、金属製で造りもガッチリとしていて固定もしっかりしており安心感があります。可動域が大き目なのでクッション性能も良好です。そこそこ重いマイクでも吊れるでしょうが、マウント自体も重いので軟弱なマイクスタンドだとおじぎをする可能性があります。クッションマウントとしては大柄なので持ち歩くとすれば収納方法がネックになるでしょう。また、マイクの底部で固定する構造上、垂直に立てたり吊ったりする使い方では問題ありませんが、横にしたり斜めに吊ったりする使い方だとマイクの重心と固定位置のズレが大きいのでゴム紐が緩いと斜めになったり外れたりします。今回輸入した製品の実測値で2本のゴム紐の円周は33cm(直径10.5cm)でした。


(がんくま)

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