今日は、
『ショックを受けた出来事から
自分なりに気づけたこと』・・というのを書いてみたいと思います。

これは、もう何年も前の話です。
私がリウマチという診断を受けてからまだ間もない頃のことでした。

その頃の私は多分…
リウマチという病気を抱えることになり、仕事や将来のこと等
これからの方向性が全く見えずに悩んでいた時期だったと思います。
未来に対する不安、周りから取り残されるような感覚、終わりのこない痛み…
でも、クヨクヨばかりしてても仕方ないし
TVでも見て笑って元気だそう!(笑いは力になるのです☆)
ってな感じで…

私は家でTVを見ていました。
(痛みがあると、なかなか外に出ることもできないので、娯楽といえば家でTVを見ることくらい…っていうのもその頃はありましたね。。)

私が見ていた番組は、芸人さんが舞台でパフォーマンスをするお笑い番組でした。
そして、出演していたある芸人さんが、あまりに緊張しすぎて…汗だくで棒立ち状態だったんですね。
司会者の方がそれをからかうと、その芸人さんは・・
緊張しすぎて足首痛くて動けない~!
みたいなことを言ったと思います。
すると、それを聞いた司会者の方が
「リウマチかっ!」と、その芸人さんにツッコミを入れたんです。
そのやり取りで、出演者達も客席の皆さんも、そこにいた全員が大爆笑。


TVの中の笑い声もよそに
私は、その光景を見て
一瞬何が起きてるのか分からなくて呆然としてしまいました。
そして、その後にジワジワと湧き出てくる感情…
「リウマチって、お笑いでツッコミにされて笑われるような病気なの?」



…いや、そんなわけありません。
こんなに苦しくて、こんなに泣いてる。

リウマチは、(他の病気もそうだけど)こんなふうに笑いにされるような…そんな簡単な病気じゃないのに。

毎日が激痛との闘いで、将来は動けなくなるかもしれないという不安の中、それでも何とか辛抱して頑張って仕事を続けていた時だったので
正直、この日のこのTVの光景には
かなりのショックを受けました。

リウマチの苦しみを何も知らないで、どうしてこんなふうに笑うの?
って…
腹立たしくて、怒りが込み上げて・・
そして、それ以上に悲しみの感情が湧き出てきました。

やっぱりリウマチって理解されてないんだな。
リウマチという言葉ばかりが世の中にあふれて、病気の本質はなかなか理解されていないという現実。
ましてこんなふうに、簡単にこの言葉を扱われてしまうから…リウマチが簡単な病気だと誤解してしまう人が増えてしまうのかもしれない。。
そんな現実を突きつけられたような感覚でした。

それに、その番組は再放送だったんです。
生放送でつい出てしまった言葉とかではないんです。
番組がオンエアーされるまで、たくさんの人がチェックし構成されたはず。
そんな中で…このやり取りはまずいんじゃないの?って言う人が一人もいなかったんだって思ったら、更に悲しくなってしまいました。

頭が真っ白になってしまった私。
でも、TVの中のみんな笑ってるし・・
こんな感情を持ってしまう私の方がおかしいの?
とも思ったり…。
頭が混乱して、しばらく声も出せずに呆然としていたら・・
その番組を一緒に見ていた姉が
「今のは酷いね…」
と、一言ポツリと言いました。

そうか、そうだよね…
こんな気持ちになっておかしいわけじゃないんだよね。
やりきれない気持ちになっても仕方ないよね。。
他のリウマチの患者さんが、この番組を見てどう感じるかは分かりません。
でも、確かに私はその時
悲しみの感情が込み上げました。
誰にも分かってもらえない…と、
とにかく悔しくてたまらなかったんです[みんな:01]

私は、ずっとその怒りと悲しみに囚われていたんだと思います。
しばらくは、その司会者の方の顔を見るのも嫌な程…その人に悪気はないと分かっているし、リウマチを知らないだけと分かっているのだけど。。

誰かにこのやりきれない気持ちを聞いてもらいたいと思ったものの、そんなふうに愚痴ったら怒りに囚われてる自分の負け?のような気もして・・友達にも話しませんでした。
「人に理解されていない」ということからくる怒りや悲しみは、自分のエゴでもあるんだから、、
その感情は良くない、捨てなきゃって
自分の中で消化させなきゃって思ってました。

そして、過ぎていく日々
色々なことを学んでいく中で・・
ある時、私は思いました。

もし、あの時
私がリウマチじゃなかったら
あの日TVに出ていた出演者の方々や客席の皆さんのように、私もTVの前で笑っていたうちの一人だったのかもしれないって。
私はちょうどリウマチで苦しんでいたから傷ついたけど…
リウマチになる前は、この病気がこんなに辛い難病だとは思っていませんでした。

私だって、人のことは言えなかったんです。自分だって同じなのに、腹を立てる権利などなかったんです。

そう思ったら、私はどんなに無知だったんだろう…と気づきました。

職場で昔、病気のことをなかなか理解してもらえずに、怠けているのかと誤解されてしまい、辛い経験をしたこともありました。
なんで分かってもらえないんだろう?って、人に対し思ってしまったこともあったけど…
本当は、分からなくて当たり前なんですよね。
自分の経験をそっくりそのまま
他の誰かが経験できるわけではありません。
その立場になってみて初めて分かることもあります。
同じ病気を抱えている人達でさえも、苦しみや悲しみは人それぞれ違うんだから尚更です。


病気だけでなく、世の中に起こっていることに対し・・勝手な思い込みで誤解していることなんて、きっといっぱいあると思います。
それゆえに、悲しい思いをさせてしまっている人が、世の中にたくさんいる。
悪気はなくても、知らず知らずのうちに人を傷つけてしまったことだって
数え切れない程、私にもあったんです。

これに気づいた時、
今まで私がしてきたことを
あの時ただ単純に見せられただけだったのかもしれない…って、思いました。
自分の行い、意識の足りなさが
教えてくれたことなのかなって…。



言葉って、難しいです。
些細な一言で相手の心を和ませることもあれば、逆に傷つけてしまうこともある。
「悪気がないことが逆にたちが悪い」なんて言葉もよく耳にしますよね。


今この人生で、自分はこの自分の気持ちしか実際に経験できないのだから、他の人の本当の苦しみを分かってあげるのは不可能なことかもしれない。
でも、だからこそ
相手の立場に立って考えることの大切さを
私達は学ぶことができると思うのです。

「自分が自分が」という心に囚われて、人の痛みに無関心になってしまいたくはないです。


本当の「思いやり」って、何だろう。
相手の立場に立つって、どうやったらできるんだろう…

私にはまだまだ難しい課題です。

だけど考えていきたい。
自分一人で生きてるわけではないんだから。

自分の何気ない言葉や些細な行動が、人にどれだけの影響を与えるか。
その重みを忘れずに、自分と人に感心を持って生きていきたいです。


なんて、また難しく考えすぎて
長くなってしまった[みんな:02]
自分の気持ちをうまくまとめられた自信ないけど…
こんな文章を読んでくださった皆さん、ありがとうございましたクローバー