札幌の皮膚科専門医/美容皮膚科 女医 日景聡子です。

 

 

前回、レーザーと内服薬と外用薬を組み合わせている場合の治療経過をご紹介しました。

 

 

シミのカウンセリングをする時にも、「全部組み合わせた方が経過もよく短期間で治療が終わります」とお話ししています。

 

 

絶対組み合わせないとダメなんですか?というと、どれか1つだけでうまく行く場合ももちろんあります。

 

 

内服だけだとさすがに厳しいですが、レーザーだけ、または外用薬だけ、で治療している方もいます。

 

 

その分かれ目はどこなのか、非常にざっくりした言い方ですが「シミの難易度」によります。

 

 

治療しやすいシミの場合、たとえば

 

☑1種類のシミしかない場合

☑もともと色が白くて色素沈着が出にくい場合

☑年齢が若くて代謝がよい

 

など、特定の要素を満たしていることが条件となります。

 

 

シミの種類って何?という方はこちらをご覧ください。

 

 

一方で、

 

☑ベースの肌の光老化(紫外線ダメージ)が認められる場合

☑ターンオーバーが遅い場合(概ね年齢に相関します)

☑複数の種類のシミが混じっている場合

☑体質的に色素沈着が出やすい場合

☑紫外線に当たる機会が多い場合

 

などは治療の難易度が上がるために組み合わせ治療が必要になってきます。

 

 

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内服がなぜ必要かご存じでしょうか?

 

 

細かいメカニズムはいろいろありますが、一言でいえば「メラニン色素の産生力を抑える」ということになります。

 

 

レーザーを当てた後に色素沈着が出やすい人=当てたところが一時的に濃くなりやすい人、は一定数いらっしゃいます。

 

 

虫刺されやニキビの跡が茶色く残りやすい人はこのタイプです。

 

 

体質によるところもありますので、完全にコントロールすることは難しいです。

 

 

他にも、レーザー治療後に紫外線に当たることで色素沈着が起こる場合もあります。

 

 

そんな時にトラネキサム酸やビタミンC・E、ハイチオールなどが活躍して「色素を作る力」を抑えていきます。

 

 

トラネキサム酸が飲めない場合は漢方で代用することもありますし、ソノイオントリートメントで薬剤を肌に導入することもできます。

 

 

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↑ソノイオントリートメントで寝落ちしかかっている私です。笑

 

 

また、シミを分解する酵素に含まれている鉄分が不足するとシミができやすくなります。

 

 

女性は生理で血を失うので、鉄分は補給した方がいいです。(貧血でない限り保険診療で鉄剤は出せないので、サプリを活用するといいです。)

 

 

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私も飲んでいる鉄分のサプリです(写真左)。他にもいくつかお取り扱いがありますのでお尋ねください。

 

 

私は錠剤が苦手なので、ビタミン類は粉タイプのビタミックスコンプリートを飲んでいます。

 

 

内服薬だけでシミを治療することは難しいですが、メインの治療を補うためにとても大切なものです。

 

 

飲んでも飲まなくても変化が分かりにくいというのも事実ですが、特に治療期間中は飲んでいただくことをお勧めします。

 

 

もともとの体の機能として、ストレス・紫外線などは活性酸素を発生させ、これがメラニン産生を促したりコラーゲン線維を壊したりしてシミ・シワ・たるみの原因になります。

 

 

過去に監修した記事を掲載しますので、こちらもご覧になってみてくださいね。





次回は、外用薬の併用について解説します。


 

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