札幌の皮膚科専門医/美容皮膚科 女医 日景聡子です。

 

 

前回は、レーザーと組み合わせる内服薬のお話だったわけですが…

 

 

 

今回は外用薬の話です。

 

 

外用薬として代表的なのが、トレチノインとハイドロキノンです。

 

 

トレチノインは「シミを追い出す力を高める」「毛穴詰まりや毛穴周りの色素を追い出すことで毛穴を目立たなくする」効果がありますし、ハイドロキノンは「メラニン色素を作る力を抑える」効果があります。

 

 

トレチノインは強力なピーリング効果により赤みや皮むけが出るので、それに耐えられない場合はレチノールという活性の弱いものを使用します。

 

 

ピコレーザーなどでシミの色素を細かく砕いた後、ターンオーバーで追い出していくわけですが、トレチノインやレチノールはその力を高めてくれます。

 

 

ハイドロキノンはレーザー照射後の色素沈着を抑えてくれます。

 

 

レーザー治療を補う作用をしてくれるわけですね。

 

 

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たくさんのシミ治療を行いながら感じることですが、同じように照射しているのにうまく行く人と変化が少ない人に分かれてしまいます。

 

 

どうしてだろう?といろいろ模索するわけですが、単にレーザーの照射条件だけの問題ではないことは前回の記事の通りで、難易度が高い場合は組み合わせ治療が必要になります。

 

 

もちろん、レーザー照射の腕を上げるために日々努力しているわけで、ピコレーザー治療の際に毎回VISIAの画像撮影をして設定を決めています。

 

 

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近年ではマスクで擦れる部分が色素沈着になることが多くて、仕方がないとはいえなかなか悩ましいです。

 

 

最初からレーザーと外用薬を組み合わせなくても、経過を見ながら足していくことは可能ですので、治療中の方々には随時ご案内しています。

 

 

いずれにしても、体のベースを整えるための内服薬はあった方がいいです。

 

 

では、「レーザーなしで外用薬で治療すればいいのでは?」という疑問がわくかと思いますが、濃いシミの場合はやはり時間がかかります。

 

 

外用薬は表面からアプローチするものなので、治療期間がシミの濃さと相関するのです。

 

 

また、シミに見えるアザを外用薬で治療することはできないので、レーザーがないとダメな場合もあります。

 

 

もちろんレーザーなしで治療することは可能ですので、診察でお顔を見て判断していますが、トータルでシミ治療を行っていくにはそれぞれの利点・欠点を補うことが必要なので、シミの種類や分布などを考慮して治療内容を決めていきます。

 


いたずらにあれもこれも勧めることはしませんが、「なぜ、それが必要なのか」は画像を判断してご説明しています。

 

 

シミ治療は、なかなか奥が深いのです。

 

 

「美容医療は、シミに始まりシミに終わる」というのは美容医療の世界で有名な先生の格言ですが、まさにその通りだなと感じながら日々治療しています。

 

 

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