本日、参議院外交防衛委員会で質問に立ち、主に日本有事における来援軍等との武器弾薬の相互提供について議論しました。

 

来援軍等と自衛隊との武器弾薬の相互提供の見直しは、昨年末に改定された安全保障三文書には明記されておらず、その制約の解決は佐藤が外交防衛委員会で度々提起してきた事項である。
政府答弁では、来援軍から自衛隊に装備を提供してもらう場合、有償と無償とに関係なく、とくに法的な制約はない。
しかし、来援した外国軍へ自衛隊の装備を提供する際にはACSA(物品役務相互提供協定)、防衛装備移転三原則および外為法などによる制約がある。
例えば、島嶼部が他国軍に占領され、例えば、来援軍とともにその奪還作戦を遂行する場面で、日本の領域外(公海上空など)を飛行する航空機内で活動する来援軍に武器弾薬を提供する際には、外為法と防衛装備移転三原則によってその都度装備提供の許可申請をする必要がある。一刻を争う有事において、このような事務手続きをいちいち行うというのは非現実的である。
また、来援軍から武器弾薬の貸与を受ける場合、ACSAを使うと制約があり、ACSAを使わなければ制約がないというおかしな状況が発生するし、さらには自衛隊から来援軍への装備提供では、有償なら可能だが、無償寄付では不可能という制約もある。

そもそも命を懸けて日本を守ろうとしてくれる来援軍に対して円滑な装備の提供に支障があるのは理不尽である。
現在の防衛力整備計画を見てみると、空自のPAC-3および陸自の中SAMの整備数量では、日本全体をカバーする防空網は構築できない。いざ日本有事という際に不足する装備の相互提供・貸与を他国と円滑に遂行するための議論を今後深めていくべきである。

 

その他、新隊員の募集難や予備自衛官でもある公務員の待遇についても議論した。
 

令和4年度の募集実績は、一般曹候補生でほぼ目標を達成したのに対して、若手隊員の主力となる自衛官候補生では目標人数約9,000人の50%にも届かなかった。これは衝撃的数字である。

少子化が急速に進み、昨年の出生数が男女各40万人ずつの約80万人だったことを考えると、今後の募集難の増大は容易に想像できる。

「採用人数を増やすため、やる気がある筆記試験合格者であれば、身体検査でファッションタトゥー(小さな絵柄や文字)程度は許容しても良いのではないか」という旨の質問をしたが、「今後検討する」という政府の返答であった。
 

予備自衛官でもある公務員の待遇も、佐藤が度々問題提起してきた事項である。
予備自衛官でもある公務員は、招集訓練に際して有給休暇を取らないと給与が減額される。一方、消防団員でもある公務員は、有給休暇を取らずに訓練に参加しても給与は減額されない。

国民の生命と財産を守る点は同じなのに、この両者の待遇の差は理不尽である。現行法でその様にならざるを得ないのであれば、政府には法改正を含めた抜本的な解決を求めたい。

 

安全保障において「想定外だった」ということはあってはならない。あらゆる状況に対応できる体制を平時に抜かりなく構築しておくのも抑止の一環である。