急に思い出したのですが、小学生の5年生ぐらいになった頃、「算数の授業とか、もうすでに何を喋っているのかわからない。宇宙語?」と思うぐらいに学力がかんばしくなかった僕と姉ちゃんは家の近所の70歳ぐらいのご夫婦がやっている学習塾に入れられることになった。

 

商店街の片隅にある、1階が履物屋さんか何かで、その履物屋さんの隣の細い階段を登っていくとその進学塾があり、階段を上がった先には塾長が大好きなカップラーメンが山積みされていた。

 

学習指導はご夫婦のそれぞれが担当していて、国語は奥さん、算数はおっちゃんと担当を交換しながら、それぞれが空いた時間、後ろの場続きの自宅兼事務所でカップラーメンを食べるというスタイルだった。

 

ずいぶん昔の話になるので、この塾で教わったことをは具体的には思い出せない。

 

だけど、この二人のご夫婦は常々生徒に言っていた言葉があった。

 

「勉強なんてできなくても良いから。とにかくおかげ様でって言っておきなさい」

 

って。

 

何か、この弱弱しくも自信満々で「おかげ様って言っておけ」って説くおっちゃんとおばちゃんが好きになって、テストの点数があがったら報告して「そういう時は何って言うんだっけ?」と促され「おかげ様で点数があがりました。ありがとうございます」と言った。

 

今発売している『VOGUE GIRL特別号』の中で、僕自身が好きな中華料理屋さんとか、好きなスポットとかを紹介させてもらいました。昔から僕が好きな場所は、ちょっとだけ電球の光量が弱くて、でも、そこに集まってくる人たちがそれぞれの営みを一生懸命やっていて、時々サボッたり、インチキをしたり(俺それやっておいたよ←やっていない)、のんびりしているような場所です。

 

もしよければご覧くださいませ。