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Kyoto Jazz Massive 沖野修也 Official Blog

今年も

残すところあと2日。

 

京都の初夏の風物詩、

KYOTOGRAPHIEに足を運んだ。

 

このユニークな写真展を

12回も京都で開催している事に

敬意を払うと共に、

長年不正が横行するこの国で

美の表現を紹介しながら

強烈なメッセージを

堂々と発信する

主催者とスタッフに

最大限の賛辞を送りたい。

 

表題の体験には

二つの意味がある。

 

KYOTOGRAPHIEは、

単に美術館やギャラリーに

写真を展示するのではなく、

街に飛び出して

特殊な空間の中に

作品を持ち込む事で

写真を鑑賞する

という行為を、

"観る"だけでなく、

そこに

"行く”や

"いる”事を通して

特別な体験に

昇華させている。

 

今年で言うなら、

使われなくなって

閉鎖されていた

Time’s(安藤忠雄建築)が

公開され、

ラビリンス的な展示を実現した

目玉会場であろうし、

去年に引き続いて使用された

京都新聞社の地下工場跡は

作家のポップ感と対照的に

インダストリアルでありながら、

そのアバンギャルド感を増幅する

ミステリアスな雰囲気を持ち

作家の可能性を

最大限に

引き出していたと思う。

 

もう一つの体験の意味は、

作品が持つ

社会性や政治性と

国境や時代を越えて

対峙出来る事を指す。

 

日常生活の死角にある

差別、

貧困、

虐待、

虐殺、

暴力、

自然破壊、

階級社会

写真を通して

我々は擬似体験するからだ。

 

構図や

色彩の美しさと

問題の告発を

共存させる事は容易ではない。

そこに加えて

会場の選択と

展示構成で

作品の価値を高め、

時に

鑑賞環境を変える事で

作品の見方を

揺さぶることさえある。


KYOTOGRAPHYの

飽くなき挑戦に

今年も大いに刺激を受けた。

 

あと二日ある。

是非!

 

 

まさか、ここが活用されるとは!

 

 

Jaisingh Nageswaranと

KG+の展示会場だったTime'sビル。

 

 

 

 

Popでアバンギャルドな作品も

とても興味深く

素晴らしかったけれど、

僕は、

日常の中にある美を切り取った

モノクロ連作に惹かれた。

Vivian Sassen @ 京都新聞ビル印刷工場跡

 

 

 

種子の造形の美しさと面白さが巨大な屏風に!

Thierry Ardouin @ 二条城 二の丸御殿

 

 

 

 

 

あなたは死なない

ーもうひとつのイラン蜂起の物語ーは、

イラン当局が公式の情報チャンネルで

抗議運動の画像を拡散したくなかったという背景もあり、

展示の写真や動画を撮影したのは、

その多くが匿名を希望するイラン市民との事。@ Sfera

 

 

 

 

世界の子供部屋(寝室)の対比によって、

富、貧困、教育、暴力、難民、気候変動など

複雑な問題を鑑賞者は突き付けられる。

大人や社会が子供に与える悪い影響に閉口したが、

作品によっては子供の想像性に驚かされる事も。

James Mollison @ 京都芸術センター

 

 

個人的には、

写真集を持っていた彼の作品がピックアップされて嬉しかった。

ジプシー・ギターの巨匠、マニタス・デ・プラタと

その友人、ホセ・レイエス

(後のジプシー・キングスのメンバーの父)

を見出したのも彼だったとか。

Lucien Clergue @ 嶋臺(しまだい)ギャラリー