【『アヒルちゃんの夢』絵本をつくりました!】
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新しい技術やサービスがどんどん生まれている世界で、過去の知識・経験だけでは子どもの夢を叶えるアドバイスはできないのではないか。既成概念に縛られた大人が子どもの夢を邪魔する存在になってはいないか。そんな問題意識からアヒルちゃんを主人公にした絵本を描きました。
多くの親子にとって考えるきっかけになれば幸いです!

(以下はネタバレ、かつ少し長い話になりますので、連日のストーリーをご覧いただいた方で、お時間と興味のある方だけどうぞ。本当に長いしマニアックです、、、)

改めまして、連日Facebookとインスタのストーリーで私の拙い絵と物語をご覧いただきありがとうございました。このお話の解説をさせてください。

アヒルちゃんは空を飛ぶことができましたよね。
でももし、アヒルちゃんのお父さんが「空を飛ぶなんて危ないので諦めなさい」と言っていたら、夢は叶わなかったでしょう。
また、アヒルちゃんがうんどうの先生の言う事を「真面目に」聞いて羽をバタバタさせていても、根性論を大切にするタヌキチおじいさんの指導にしたがって気合いを叫んでいても、空を飛ぶことは出来なかったはずです。
生き方や価値観は多様になり、今まで私たちが想像もしなかったような技術やサービスも生まれています。
ゴールは一つではありませんし、そのゴールにたどり着く選択肢も増えているのが、今の子どもたちを取り巻く社会なのです。

そんな中で、大人である私たち自身が物語に出てくるうんどうの先生やタヌキチおじいさんになってはいないでしょうか?
もし自分がアヒルちゃんのお父さんだったら、子どもの途方もない夢を尊重し、応援できたでしょうか?
子どもたちには正解が1つの問題を解かせる一方で、現実の世の中は正解がないことばかりです。
不確実な社会の中で自ら問いを立てる力、実現したい未来に対し、新しい技術なども使いながらさまざまなアプローチを考えてチャレンジする力、思いに共感してもらえる仲間を作るコミュニケーション力を磨く方が、1つの正解を出すことや暗記を頑張ることよりも「生きる力」に繋がると思うのです。

では具体的に、何をどのように変えればいいのでしょうか? 
それこそアプローチは一つではないし、絶対の正解は無いでしょう。
日本の教育を変えるにしても、かなりの時間が掛かります。
少なくとも今の子どもたちが大人になるまでの間に大きな変化は望めないでしょう。
私も明確な解決策を示せるわけではありません。

ちなみに私は政府の教育再生実行会議のメンバーとして、例えばコロナ禍でのオンライン授業や少人数学級を進める上での政府の予算措置と運用についての議論などには参加しました。そうした経験の上でも、日本の公教育については、戦後から続く重たい足かせと積み重ねられた歴史がある中で、細分化された各種諮問機関や教科書検定、入試、教員養成など多くの制度が運用されています。それに伴って複層的でさまざまなステークホルダーによる公教育の仕組み(巨大なエコシステム)が形成されており、これを改革していくことの実質的な限界も感じていました。

ただせめて「このままでは良くないんだ」というメッセージだけは、個人的にでも親世代や子どもたちに直接伝えたいと思い、絵本という方法で表現してみました。12月12日に発売開始予定です。

中学を卒業以来、今年の1月に画用紙を買って絵を描いたことをきっかけにこのアプローチを閃いたのですが、何せ中学校の時の美術の成績は10段階中2という評価を下されているくらいなので、見ての通り絵は愛嬌ですが、タッチを味わいつつ、ストーリーとメッセージを中心に読み進めていただければと思います!
絵本の出版を決めた後に、描ける絵がアヒル以外に無いことに気が付き、犬や馬や猿など慌てて色々描いてみた結果、たぬきと豚と象とダチョウが登場することになりました笑

何はともあれ、これからクリスマスやお正月でご家族で過ごす時間が増えると思いますが、この絵本が多くの親子に届き、一緒に考えるきっかけになればと願っています。




福岡市長髙島宗一郎