「魂のトランぺッター」~キーヨン・ハロルド、2024年6月、丸の内コットンクラブに自身名義で2 | 吉岡正晴のソウル・サーチン

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「魂のトランぺッター」~キーヨン・ハロルド、2024年6月、丸の内コットンクラブに自身名義で2度目の来日

 

【Soul Trumpeter Keyon Harold Comes To Cotton Club June 2024】

 

 

ソウル。

 

これまでにもディアンジェロやマックスウェルなどの来日に帯同していたR&Bとジャズ、ポップなどでも活躍する最近のエース・トランぺッター、キーヨン・ハロルドの2018年2月の自己名義初来日ライヴ以来約6年4か月ぶりの自己名義ライヴが、2024年6月3日(月)から4日(火)まで、丸の内コットンクラブで行われる。

 

今年(2024年)1月にリリースされた最新作『フォーエヴァーランド』では、ロバート・グラスパー、ジーン・ベイラー、PJモートン、ローラ・ムヴラらを迎えている。おそらくこの新作を中心にしたものになるとみられるが、その芳醇なトランペットの音色を久しぶりに聴けることになる。

 

最新作

『Foreverland』

(Concord)

https://amzn.to/3QyV59x

 

曲目

1            Find Your Peace

2            Beautiful Day

3            The Intellectual

4            Foreverland

5            Well Walk Now (Perseverance)

6            Don't Lie

7            Paranoid

8            Gotta Go (Outer Space)

9            Pictures

10          Peace Beyond

 

最新作・音源(スポティファイ)

Keyon Harrold : Foreverland

2024/1/19 Concord

https://open.spotify.com/intl-ja/album/4NOCSGPCk0qUHadIR7unkf

 

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■来日概要

 

2024 6.3 mon. , 6.4 tue.

KEYON HARROLD presents 'Foreverland'

キーヨン・ハロルド

https://www.cottonclubjapan.co.jp/jp/sp/artists/keyon-harrold/

 

KEYON HARROLD presents 'Foreverland'

 

キーヨン・ハロルド

2024 6.3 mon. , 6.4 tue.

[1st.show] open 5:00pm / start 6:00pm

[2nd.show] open 7:45pm / start 8:30pm

 

MEMBERS

 

Keyon Harrold (tp,vo)

Nir Felder (g)

Chad Selph (p,key)

Jermaine Paul (b)

Charles Haynes (ds)

 

CHARGE/料金

[全席指定]

テーブル席 : ¥7,700

ボックスシート・センター (2名席) : ¥10,000

ボックスシート・サイド (2名席) : ¥9,000

ボックスシート・ペア (2名席) : ¥9,500

ペア・シート (2名席) : ¥8,500

※料金は1名様あたりの金額となります。

 

■前回来日時ライヴ評

 

「魂(ソウル)のトランぺッター」キーヨン・ハロルド・ライヴ~パート1~マジシャンの如く七変化

2018年02月12日(月)

https://ameblo.jp/soulsearchin/entry-12351016830.html

 

キーヨン・ハロルド・ライヴ(パート2)からチャールズ・ヘインズ、バーニス・トラヴィスとのチャッ

2018年02月13日(火)

https://ameblo.jp/soulsearchin/entry-12351018737.html

 

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◎キーヨン・ハロルド・ライヴ~パート1~マジシャンの如く七変化

 

【Keyon Harrold Live At Cotton Club: Various Changes Like Magician】

 

マジシャン+ミュージシャン。

 

4人のミュージシャンたちがステージの位置につき、音が出始める。最新アルバム『ミュジシャン(Mugician)』の冒頭に入っている「ヴォイスメール」が始まるとすぐにゆっくりと今日の主人公トランペットのキーヨン・ハロルドが客席を通りながら、ステージに上がった。ちょっとマイルス風ななかなかの威風堂々な姿だった。「ミュージシャン」と「マジシャン」を合わせた「ミュジシャン」。このライヴのテーマはまさにこれのようだった。

 

これまでにもディアンジェロやマックスウェルの来日に帯同していたR&Bとジャズ、ポップなどでも活躍する最近のエース・トランぺッター、キーヨン・ハロルドの初めての自己名義でのライヴ。3日間6ステージの最終公演ということもあってか、超満員、立ち見も出るほど。

 

キーヨン・ハロルドは1980年11月18日アメリカ南部ミズーリ州ファーガソンに16人兄弟の一人として生まれた。ラッパーのコモンらと接点を持ち、ロバート・グラスパーらともつながり、ジャズ、R&Bの垣根を超えて活躍している。ドン・チードル主演のマイルス・デイヴィスの自伝的映画『マイルス・アヘッド』で、マイルスのトランペットの音を映画で担当している。

 

なるほど、他のアーティストのサポートでやってくるのと自身名義でやるのでは、まったく違う。しばらく前に、ハーヴィー・メイソンのバックでやってきて気になったカマシ・ワシントンが自己名義でやってきたときの衝撃と言ったらなかったが、今回のキーヨンも、自分ではこういう音楽をやりたかったのか、と思った。

 

ジャズをベースに、ソウル、R&B、ヒップホップに一つ間違えばスムーズ・ジャズ的なメロディアスな作品まで実に多様性のあるトランペットを聴かせてくれた。

 

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MB(マイケル・ブラウン)。

 

いろいろみどころはあったが、圧巻だったのは、「ブラック・ライヴズ・マター」でも大きな話題となったキーヨン本人の出身地でもあるファーガソンで白人警官に意味もなく殺された黒人青年マイケル・ブラウンへ捧げて作った「MBラメント」だ。これはマイケルだけでなく同様に殺された多くの黒人同胞へのトリビュートだが、CDでは5分余の曲をライヴでは17分にも及ぶ長尺で演奏してみせた。いかにこの曲への思い入れがあるのか感じられた。

 

時にマイルス・デイヴィスを、時にヒュー・マサケラを、時にハーブ・アルパートや、まさかのニニ・ロッソまで感じさせてくれた。まさにトランペットでマジシャンのように七変化をみせてくれた。

 

そしてバックのドラムス、チャールズ・ヘインズ、ベースのバーニス・トラヴィス、キーボードのシェデリック・ミッチェル、ギターのニア・フェルダーらが相当きっちりとキーヨンを支える。常に5人の間に緊張感が張り詰め、聴く者を集中させる。

 

基本、最新作『ミュジシャン』からの曲をかなりアレンジして聞かせたが、アンコールだけ今回アレンジをしたというビートルズの「シーズ・リーヴィング・ホーム」をジャズ風にアレンジして演奏した。

 

そして、そこではCDで「ホエン・ウィル・イット・ストップ」に入っているラップのMCを重ね合わせていた。「人種差別、性差別などを非難し、この最悪の状況からいつになったら抜け出せるのか」と語るものだ。「MBラメント」での熱演といい、このアンコールでのラップの入れ具合といい、ブラック・ライヴズ・マター意識の強いキーヨン・ハロルドという印象を持った。

 

ひじょうに緊張感のある、時の流れを忘れさせてくれる良質のライヴだった。

 

■ビートルズの「シーズ・リーヴィング・ホーム」

The Beatles – She’s Leaving Home

https://www.youtube.com/watch?v=oAYiuFBqyLE

 

(この項、パート2へ続く)

 

■ブラック・ライヴズ・マターについて

 

第57回グラミー・モーメント~ファレルの主張とキング牧師への賛歌

2015年02月10日(火)

https://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11987696106.html

 

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■セットリスト:キーヨン・ハロルド @コットンクラブ丸の内 2018年2月2日(金)

 

Show started 21:05

01.           Voice Mail

02.           Bass solo – Drum solo - The Mugician

03.           MB Lament

04.           Her Beauty Through My Eyes 

05.           Stay This Way

06.           Bubba Rides Again

Enc.  She’s Leaving Home [The Beatles]

Show ended 22:22

 

Members

 

Keyon Harrold (tp,vo)

Shedrick Mitchell (p,key)

Nir Felder (g)

Burniss Travis (b)

Charles Haynes (ds)

 

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CDs

 

(最新作、2作目)

The Mugician (輸入盤)

Keyon Harrold

Sony Legacy (2017-10-06)

https://goo.gl/wtQkCd

 

ミュジシャン(日本盤)

キーヨン・ハロルド

https://goo.gl/hjeY1K

 

1枚目

INTRODUCING

KEYON HARROLD Charles Tolliver Marcus Strickland Danny Grissett Dezron Douglas E.J. Strickland Jeremy Most Emanuel Harrold

CRISS CROSS (2009-10-06)

https://goo.gl/Jf1BdE

 

ENT>MUSIC>LIVE>Harrold, Keyon

 

 

 

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キーヨン・ハロルド・ライヴ(パート2)からチャールズ・ヘインズ、バーニス・トラヴィスとのチャット

2018年02月13日(火)

https://ameblo.jp/soulsearchin/entry-12351018737.html

 

◎キーヨン・ハロルド・ライヴからチャールズ・ヘインズ、バーニス・トラヴィスとのチャット

 

【Chat With Burniss Travis And Charles Hayens On Keyon Harrold Gig】

 

チャット。

 

ライヴ後、キーヨンはサイン会に。その間、客席にでてきたベースのバーニスとドラムスのチャールズと立ち話をした。二人とも何度も日本には来ている。

 

ベースのバーニスは、初来日は2007年頃、コットンクラブでの誰かのサポート。そのほかこれまでに、グレッチェン・パーラートやジャッキー・テラソンなどで頻繁に来日。20回以上は来ているそうだ。ジャック・デジョネットなどがヒーローだという。ジャズとソウル、どっちの仕事が多いのと尋ねると、「話がくればなんでもやるよ」という。「そんなに何度も日本に来てるのだったら、『エレクトリック神社』は知ってるか?」と尋ねると、「知ってる。何度も行ったよ。(オーナーの)賢二もよく知ってるよ。そうだな、今晩あたり行ってみようかな」と答えた。

 

また、ドラムスのチャールズはバークリー出身で同窓のピアニスト、宮本貴奈さんのライヴで十数年前に初来日したそう。前日、貴奈さんも見に来ていたという。ソウル、R&Bからジャズ、ポップの大物まであらゆるライヴを担当。

 

チャールズによれば、レディー・ガガなどの大きなポップ/ロックもやるが、こういうキーヨンなどのジャズもやる。「ビッグ・アーティストは俺たちのようなミュージシャンを(金銭的に)サポートできるからね。だから、6か月ビッグ・アーティストの仕事をして、残りの6~9か月、こうしたジャズ・アーティストの仕事をする。彼らがいるから、こうしてジャズの仕事もできるんだ」

 

同じく同窓のベース奏者、後藤克臣さんによると、ボストン時代からチャールズは武闘派で他のミュージシャンたちをその演奏で叩きのめしてきたそうだ。確かにその攻撃的なドラムスは相当なものだった。

 

彼は今MCK(ミッチ・ヘンリー、チャールズ・ヘインズ、カイル・マイルズ)という3人ユニットで2枚アルバムを作っているという。1枚はいろいろなソウル系ジャズ系のカヴァーを録音した『シャウト・アウツ』、もう1枚はオリジナル。タイトルは未定。

 

オリジナルのほうは、フェラ・クティ―のようなアフリカンの影響を受けたもの、Jディラのようなもの、ブライアン・ブレイドのようなサウンドになり、シンガーも起用している、という。

 

カヴァー集は、すでにほぼ録音を終えているという。アースの「アフター・ザ・ラヴ・ハズ・ゴーン」、スティーヴィーの「コントゥージョン」(インスト)、ボブ・マーリーの「イズ・イット・ラヴ」、ウェザー・リポートの「ハヴァナ」、マーリン・デイヴィスの「ソング・フォー・ユー」などだそうだ。配給元などはまだ決まっていないので、これから売り込むらしい。「音が完成したらすぐに送るよ」と言ってくれた。楽しみだ。

 

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キーヨン・ハロルド・オフィシャル・サイト

http://www.keyonharrold.com/

 

ツイッター

https://twitter.com/keyonharrold

 

The Mugician (輸入盤)

Keyon Harrold

Sony Legacy (2017-10-06)

https://amzn.to/3UDYtRM

 

キーヨン・ハロルド・ファースト

INTRODUCING

KEYON HARROLD Charles Tolliver Marcus Strickland Danny Grissett Dezron Douglas E.J. Strickland Jeremy Most Emanuel Harrold

CRISS CROSS (2009-10-06)

https://amzn.to/3ww8gB2

 

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キーヨン・インタヴュー

Keyon Harrold of D'Angelo & The Vanguard | Interview

Published on 22 Jul 2015

https://www.youtube.com/watch?v=oaGIbgNOUFc

 

Keyon Harrold on Radio Szczecin (2nd Interview)

Czekolada - Radio Szczecin

Published on 29 Jan 2018

https://www.youtube.com/watch?v=_NSlW4nnhdE

 

■関連記事

 

ソニー白木さんのブログ

キーヨン・ハロルドのライブが凄かった!She's Leaving Homeのぶっ飛びVerも。

2018-02-01 23:32:45

https://ameblo.jp/high-hopes/entry-12349310967.html

 

柳樂光隆さんのノート

キーヨン・ハロルド・インタヴュー

2018/01/15 21:31

https://note.mu/elis_ragina/n/n91c51da54818

 

First Look Friday: Experience That Unfiltered Awesomeness From Keyon Harrold

BY KEVITO     (約1年前の記事)

http://www.okayplayer.com/news/first-look-friday-keyon-harrold-interview.html

 

■セットリスト:キーヨン・ハロルド @コットンクラブ丸の内 2018年2月2日(金)

 

Show started 21:05

01.           Voice Mail

02.           Bass solo – Drum solo - The Mugician

03.           MB Lament

04.           Her Beauty Through My Eyes 

05.           Stay This Way

06.           Bubba Rides Again

Enc.  She’s Leaving Home [The Beatles]

Show ended 22:22

 

Members

 

Keyon Harrold (tp,vo)

Shedrick Mitchell (p,key)

Nir Felder (g)

Burniss Travis (b)

Charles Haynes (drums)

 

 

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CDs

 

(最新作、2作目)

The Mugician (輸入盤)

Keyon Harrold

Sony Legacy (2017-10-06)

https://amzn.to/3JSQxXy

 

1枚目

INTRODUCING

KEYON HARROLD Charles Tolliver Marcus Strickland Danny Grissett Dezron Douglas E.J. Strickland Jeremy Most Emanuel Harrold

CRISS CROSS (2009-10-06)

https://amzn.to/3ww8gB2

 

ENT>MUSIC>LIVE>Harrold, Keyon