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「欧州の農業はなぜ発展したのか。欧州の顛末」(前半)三橋貴明 AJER2024.2.6<br>

  

令和の政策ピボット呼びかけ人に「やまと経営者連盟 代表理事 古賀真氏」が加わって下さいました。

 

経済産業省の現役担当官僚が語る「24年問題」の実態と解決策(後編) [三橋TV第822回] 中野剛志・三橋貴明・saya


https://youtu.be/jh7QQRE0YPU
 

 三橋TV第781回で、
「赤字になる仕事は受けるな!」
 と、語りましたが、97年の橋本緊縮財政でデフレ化した日本は、発注者側が、
「とにかく安く発注することが正しい」
 という空気になってしまいました。同時に、需要縮小による競争激化で、受注者側も、
とにかく安くても、何とか仕事をとりたい」
 となった。


 加えて、特に物流業界においては、荷主側のJIT(ジャストインタイム)思想の経営により、
「在庫を可能な限り圧縮し、欠品リスクは物流を酷使することでカバーする」
 といった状況になってしまいます。


 もちろん、荷主側は荷主側で、デフレ下で激しく競争しているわけで、しかも株主資本主義が蔓延し、
「とにかく利益を最大化することが最善」
 となり、在庫リスクは圧縮、同時に物流コストも圧縮と、乾いた雑巾を絞るような経営が当然とされてしまいました。


 加えて、この状況で日本政府は「消費税増税」を繰り返した。乾いた雑巾として絞られている下請け企業が、消費税増税時に価格を簡単に引き上げられるはずがない。


 特に、運送や土木・建設、医療、介護、保育などの「現場」でブラック労働が横行し、賃金が抑制され、人が集まらなくなっていった。そこに、少子高齢化による生産年齢人口比率の低下が被さり、日本は壮絶な人手不足に陥ろうとしている


 となれば、人を「高く」雇わなければならず、人件費アップは当然「売価」に転嫁されなければなりません。運送業でいえば、荷主側に負担を求める。荷主は荷主で、自分の顧客に負担を求める。これが「普通」です。

【日本の道路貨物輸送の企業向けサービス価格指数と実質増減率】


http://mtdata.jp/data_88.html#dorokamotsu

 日本の道路貨物輸送の企業向けサービス価格指数は、近年、確かに上昇しています。もっとも、上昇が「不足」し、消費者物価指数の上昇率を勘案した実質値で見ると、下落。(今回の実質値は、生活実感を計りたいため、総合消費者物価指数で計算しました) 


 特に、昨年の一月は対前年比で4%近い下落になってしまいました。

 

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皇統論第六十一回「祇園精舎の鐘の声」、歴史時事第六十一回「三帝会戦」が配信になりました。
https://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
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「運賃値上げに応じない」大手と取引終了 運送会社の意識を変えた米企業のドライバーファースト
 アイ・ティー物流(千葉県大網白里市)は、港に届く輸入貨物を関東一円に運ぶ運送会社です。代表取締役の田中仁一さん(57)は、創業以来続けてきたある大手企業との取引を、2023年3月にやめました。背景には物流の2024年問題、さらに米国企業との取引で実感した、日本の荷主の運賃の低さがあったといいます。「社員に安全教育をするにも費用がかかる」と話し、適正な運賃の実現を訴えています。(中略)
◆「このままだと大赤字」大口取引から撤退
 田中さんは2023年3月、創業以来荷物を運び続けてきた、ある大手企業との取引を終わらせました。
「とにかく、運賃値上げの交渉に全然応じてくれない。そのまま続ければ大赤字となるのは目に見えていました」
 この荷主の仕事は1件あたりの輸送距離が比較的短く、運賃も少なかったため、利益を確保するためには他の運送業務と組み合わせる必要がありました。しかし2024年4月からは、トラック運転手らの時間外労働に年960時間の上限が適用され、1日あたりの拘束時間も最大15時間となります(いわゆる物流の2024年問題)。これまでと同様に1日に2件の依頼をこなそうとすると、1日あたりの拘束時間が上限を超過する可能性が出てきたのです。規制に違反せず、赤字が出ないよう大口荷主の仕事を続けるためには、運賃をあげてもらうしかありませんでした。
 田中さんはこうした事情を荷主に説明し、「運賃が損益分岐点を超えられるようにしてください」と運賃アップを訴えました。しかし「アイ・ティー物流さんは、損益分岐点が高すぎます」と取り合ってもらえず。多い時で会社の売り上げの1割ほどを占めていたこの荷主との取引を、打ち切ることにしました。幸い、他の取引での売り上げ増もあり、大きなダメージにはならなかったといいます。(後略)』

 赤字の事業はやらない。これで良いのです。


 何しろ、人手不足が深刻化することが「確定」しているわけで、赤字事業を受注するリソースなど存在しません。


 もちろん、赤字事業を受注しない場合、売上は下がるでしょう。とはいえ、利益は増える。生き残る確率は上がる。


 逆に、少ない人数で赤字事業までこなそうとした日には、普通に人手不足倒産・廃業です。


 アイ・ティー物流の例からも分かる通り、今後の日本は、「現場で働く生産者」のパワーが増していくことは明らかですし、増していかなければなりません。


 現場で働く生産者のパワーが大きかった、かつての日本経済を取り戻すのです。

 

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