ビブラートする身体を作ろう | ヴァイオリンへの身体作り

ビブラートする身体を作ろう

『ビブラートかけたいのですが』最も多い質問のうちの1つです。
そして『小指のビブラートがかかりません』というご質問も多いです。
『ビブラートってね、手の平の中央、そう、ツボで言うと“労宮”で、かけるんです。』
『まずは、“抜き”から練習するんです』
『ビブラートは、かければかけるほど、腕の筋肉が解れて気持ちよくなるんです』
『ビブラートは、弓でも同時にかけるんです』



レッスンで、まずは、こんな基礎知識からお伝えしていきます。
ビブラートはバロック時代、トリルと混同されていたようです。言われてみれば、似ていますよね。
ビブラートもトリルも、基になる音と その隣の音とを交互に早く演奏する奏法ですものね。
しかし、上手な人のビブラートは、やっぱりトリルとは違います。基音の隣の音を『ハッキリ装飾』するのがトリル。
それに比べてビブラートは、基になる音から『半音下まで』の音域の中から、音程を選べますし。
色の“濃さ”が選べるということですね。
喩えて言うなら、ビブラートは絵画の中の『影』です。
絵画を描くとき、影をハッキリくっきり描くことも、薄く描くこともありますよね。
ビブラートもそれと同じです。ビブラートを学ぶときに 始めに学習しておかなくてはならないことは、
音を抜くこと。フラウタンドという奏法があります。右手も左手もフワフワにします。それでコントロールできるようにしなければなりません。
初めてヴァイオリンを触る人にフラジオから教えるというメソッドがありますが、考え方は同じですね。
とは言っても大人から始めた初心者の方は『脱力』はなかなか難しいので
私のレッスンでは まず 身体を部分ごとに分けて脱力することから始めています。
まずは手の平、肘、肩、足裏、膝、股関節、
お腹。
お腹から振動を全身に伝えるようにしていきます。
この力の伝わり方が、ビブラートです。
ビブラートは指先で行うものだと思っていては、強張った身体の動きになってしまいますからね。