説得力と善悪や真偽は別の話だ。
世間には間違いを主張している人を真実を主張して改心させようと躍起になっている人がいるが、それでうまくいっていた例を私は見かけたことがない。
いわゆる詐欺師がうまく立ち回れるのは彼らに説得力があるからで正しいからではない。逆もまた然りだ。
説得と納得は別の話だ。
こちらがいくら説得したところで相手が納得するわけではない。
紛らわしいが、説得力とは「説得する能力」ではなく「納得させる能力」だ。
逆に言えば、あなたがいくら説得しても相手が応じないのは相手が納得してないからであって、それはあなたに説得力がないからだ。
“La justice sans la force est impuissante ; la force sans la justice est tyrannique.” (Pascal)
「力のない正義は無力、正義ではない力は暴虐」(パスカル)
「説得力のない正論は空論、正論ではない説得力は暴論」はその一例。