3月6日の文教厚生委員会(教育委員会)の質疑内容です。
報告が遅れてすみません。


(1)家庭教育力の向上に向けた取り組みについて

Q:学校教育の負担の軽減、および児童生徒の問題行動を未然に防ぐためには、家庭教育の力を高めて行くことが重要ではないか?

A:ほぼ全ての保護者が参加する就学前の入学説明会などで、リーフレットを活用した啓発活動を実施するとともに、家庭教育のポイントをまとめた保護者啓発用冊子を作成し、各市町にポイントを説明しながら配布するように依頼している。

Q:核家族化や少子高齢化が進み、子供と触れ合う経験を持たないまま自分自身が保護者となっていく今の状況を考えると、小学校入学前よりも早い段階から保護者への啓発を積極的に行うべきでは?

A:3歳児検診などを活用し、早い段階から家庭教育の大切さを保護者に考えて頂く取り組みなどを行いたい。


(2)児童生徒の問題行動について

Q:本県の児童生徒の暴力行為の発生件数は、平成18年からの5年間全てで全国ワースト3位以内となっている。その原因としては、家庭環境、および学校と地域のつながりが弱くなってきているのが原因と考えられるが、その対策は?

A:「学校支援ボランティア促進事業」の他、モデル校区で小中学生が「清掃ボランティア活動」などに取り組んでおり、これを県内の各中学校区に広げていきたい。「さぬきっ子あいさつ運動」も新たに展開する。問題行動を繰り返す子供に対しては、ソーシャルワーカーの派遣や、中学校と家庭裁判所の連絡会の開催、また、「スクールサポートチーム」に加えて、児童福祉士などが児童生徒や家庭を支援する継続チームを派遣する。

Q:児童生徒の問題行動の防止のためには、子供たちの土曜日の過ごし方を充実させること、および教員が子どもと向き合う時間を確保することも重要と考える。土曜日の効果的な活用と、教員の業務負担を軽減するための校務のICT化について、具体的にどの様に取り組むのか?

A:土曜日の活用について、東かがわ市では任意の課外授業として、体育指導員や地域の方々の協力を得て、補充的な学習を行っているほか「放課後こども教室」の実施や基礎学力の向上、スポーツ活動を行っている。県としても問題意識を持って、市町教育委員会との連携した取り組みを行う。校務のICT化については、成績処理や指導要録の作成のためのソフトを開発した。来年度は出席統計の作成を支援するソフトの開発、ICT化連絡協議会を設ける予定である。


(3)2学期制について

Q:公立の小中学校で見直しが進んでいる2学期制について、県立高校でもピーク時には13校で採用されていたものが現在では4校にまで減少しているが、それぞれの高校での2学期制の見通しについて?

A: 2学期制により、定期試験の回数の減少や試験範囲が広がることなどから、確かな学力を身につけさせる点で不安が残ることや、学期の途中に長期休業が入るため学習の継続が難しくなるなどの理由から、多くの学校で3学期制に戻している。県立高校でも2学期制を採用している4校のうち、三木、髙松北高校については平成25年度から3学期制に戻す予定である。


(4)自己推薦選抜制度について

Q:香川県の全ての県立高校で採用されていた「自己推薦選抜制度」について、平成25年度入試からは普通科9校で取りやめることとなっているが、学校や保護者の反応は?また、引き続き自己推薦選抜を実施する学校での、検査の方法の改善策は?

A: 9校で取りやめることについて、中学生や保護者からは反対する声はなく、中学校、高校においては様々な課題の解消につながるものと、概ね好意的に受け止められている。また、学力面での選抜は一般選抜で実施できることから、自己推薦選抜では学力検査では評価できない生徒の能力・適正、努力の成果などを評価できる運用を目指して各学校の方で検討している。

(5)武道の必須化について

Q:来年度から中学校では武道が必修化され、柔道、剣道、相撲の中から各校が選択するそうであるが、各種目を採用する学校数は?武道の年間の授業数は?

A: 県内公立中学72校のうち、柔道は42校、剣道は41校、相撲は1校となっている。また、なぎなた、弓道、少林寺拳法を取り入れる予定の学校もある。武道の年間授業時数は10時間程度である。

Q:柔道を採用する学校が多い様であるが、他の種目に比べて部活動中での事故が多いなど、安全面において危惧されている。その対策は?

A: 平成21年度から指導経験のない教員を対象に武道等の講習会を実施しており、3年間で必ず参加してもらえるようにしている。なお、柔道を選択する42校については、全ての学校に柔道の有段者や指導経験のある教員が配置されている。今後も、きちんと対応していきたい。

特に教育施策については「改正が必要となるような制度の基で学ばざるを得ない子どもがいる」と言う事も念頭においた上で、慎重に取り組んでもらう事を強く要望しました。