前回の私にとっての踊り〜part.1からの続きになります

読まれていない方はpart.1


からお読みくださいブーケ1






「私にとっての踊り〜part.2」



子供の頃から同居していた、踊り大好きで、

目立つ事も大好きな、

スーパーパフォーマーのミネおばあちゃんの近くで、

私は踊りを見て育った。



おばあちゃんにとって、


「踊りは喜びである」


そんな風に私には見えていた。



苦労して生きてきたミネおばあちゃんにとって、

ずっと側で見守ってきた末っ子の息子である父が、


お嫁さんを迎え、家を建て、おばあちゃんと一緒に生きる同居人生の門出をきった事は


ミネおばあちゃんにとって、沢山の荷が降りた事だったと思う。



ようやく自分のやりたかった事をして

本当の人生を歩める、


そんな風に思って、

昔からやりたかった「踊り」を

おばあちゃんは

始めたのではないだろうか。


だからおばあちゃんは、毎週楽しみに踊りサークルの稽古に行っていた。


私は、楽しくて目立つ事が好きなミネおばあちゃんだから、

おばあちゃんは踊りや舞台をやっているのだろう、

そうずっと思っていた。

 


そんな「ミネおばあちゃんの踊り」の


「深層」について、、


私は昨年まで40年以上気づくことは出来なかった。




私が小学生になると、ミネおばあちゃんからある日夏の町内で毎年行われる盆踊りの稽古に誘われた。


そこで、私は人生初の踊りを習った。


それまでは、観ている側しか体験した事のなかった盆踊り。


しかし、踊りサークルのおばあちゃん達に囲まれて、踊りの型を教えてもらってから、


私にとっての「盆踊り」は全く違ったものになっていった。


みんなで揃って同じ踊りを一緒に踊る。


はじめは分からなかった身振り手振りが段々と自分に浸透していく喜び。


やがて、自分の中で身につくと、

自然と音楽に合わせて身体が動き出す。


そして、始めの頃は周りのおばあちゃん達を観ながら、

踊りが間違えていないか確認しながら踊っていたものが、


確認の為の目の動きではなくなり、


全体との調和のための「観る」に変わっていく嬉しさ。


みんなで踊っている気持ちよさ。


私はこの年の盆踊り稽古から、


始めて、盆踊りを観ている観客側の立場から反転した、

踊る側の意識を体験する事が出来た。



祭りという特別な場で、

人前で踊る事、


それは同じ町に住む子供達から見られてしまうかもしれない「恥ずかしさ」や「怖さ」


「〇〇が踊っている」と気づかれるかもしれないという不安もよぎったが


私にとっては、踊りの稽古で習った踊りを


祭りの舞台で踊ることへの


「誇り」と


練習してきた踊りを晴れ舞台で


「踊ってみたい」


という高揚感の方が勝っていた。


それは、きっとミネおばあちゃんが一緒に同じ舞台で踊ってくれるという


おばあちゃんの愛の見守りがあったこともかなり大きかったのだと思う。



盆踊りで、初めて踊った日、


私は盆踊りの本当の楽しさを知った。



町中の人々が毎年楽しみにしている祭りで、


踊って、みんなで、輪になって沢山の人達と


一体となる。



踊り出したらもう、


太鼓のリズムと音楽が身体全体に響きだす。


私の中から「喜び」と「達成感」と「高揚感」が


全身に回った。


盆踊りって素晴らしい!!


踊りって楽しい!


観ているだけの盆踊りとは全く違う!


うわぁ〜気持ちいい〜



そう実感できたのは、

習った踊りが


その時には身体にしっかりと落とし込めていたからだった。


習っていなかったら、前の人の踊りを真似るだけで精一杯になっていただろう、


でも、身体に落とし込んでから踊る盆踊りは


誰も見なくても、自分の内側から動きがどんどん出てくる。


それがより全体を見渡しながら一体となる感覚をより増してくれる。


私は、ミネおばあちゃんが誘ってくれた盆踊りの稽古に参加して練習して、


本当に自分が何倍も踊る楽しさを感じることが出来た事で

自分に自信が少しもてるようになっていった。


それまでは、恥ずかしがりで、消極的で、自信なんてない子だった。


幼稚園の頃からずっと脇役でいたくて、

主役は絶対自分は出来ないと思っていたし、


目立たないように生きていた。


5才でピアノを習い始めてからは、なおさら周りの子たちへの劣等感が強まり、

自分は落ちこぼれ、何も上手くできない


そうずっと思っていた私に


ミネおばあちゃんは「踊り」を通して


自信をつけさせてくれた。



本当におばあちゃんの愛だったんだと、


何十年も経って気づくなんて、、


感謝するのが遅かったけど


ミネおばあちゃん


本当にありがとう



ありがとう




続く



愛理(未央広子)




私のアーティスト、パフォーマーとしての神聖舞踏公演等の舞台写真は

インスタグラム @hirokomio_act 

 

 

で掲載しています🌿 

 

 

この投稿の写真は昨年2023年12月21日に

東京中野テルプシコールで出演した

『神聖舞踏公演God Breath FOR』に出演した時のものです。 

 

撮影 澪_mio serizawa




未央広子(愛理)公式サイト


未央祐介(理音)公式サイト