9月上旬に、「夏休み」からチェチェンの部隊が帰ってきてから、それまで比較的静かで、大きな動きのなかったロシア側でおもしろい動きがいくつも続いています(「部分動員」もその一つ)。
 
さらに、最近に「ハルマゲドン将軍」スロビキン氏が総司令官になった前後からも、また目新しい動きがあります。
 
チェチェンの復帰から、時系列にまとめてみます。
 
 
★夏休みに出されていたチェチェン部隊が前線に帰ってきた
9月12日

チェチェンの前線への復活宣言動画💗

州議会副議長アダム・デリムハノフが率いるチェチェンの精鋭部隊は、与えられたホリデー期間を終えて特別作戦区域に戻ってきました。

マリウポリやセベロドネツク、リシチャンスク、ポパスナなど、ウクライナのファシストに占領された都市の解放後、エリート戦闘員は最高司令官が提供する休息に入り、今は新たな活力を持って前線に戻ってきたのです。

出典と全文:Telegram

 

前線への移動中の様子を見ても、「ようやく前線に帰れる!」とでもいわんばかりの大盛り上がりの様子でした❤ (動画のリンク
 
 
 
★囚人から希望者をワグナーPMC社が傭兵として採用することに
 
9月17日付
 
(出典と動画:Telegram
 
 
9月14日付
 
 
ロシアの傭兵派遣企業、ワグナー PMCの創設者でオーナー、リーダーであるプロゴゼン 氏は、ロシアの刑務所システム内部の47万5000人のうちの一部の囚人に実にまっとうな申し出をした。プーチンはプロゴゼンに大きな借りを負ったといえる。

ワグナーのオーナー自身が、ある刑務所の囚人たちに戦地へ行くよう呼びかけている動画。

条件:いわゆる「契約」として6ヶ月間、ワグナーの傭兵(ロシア連邦刑法第359条に基づく傭兵)として前線で働いて生き残れば、残りの収監期間にかかわらず恩赦・仮釈放を受けることができる。

・脱走、撤退は禁止。敵に身柄を拘束された場合には手りゅう弾を使え。

・6か月間の間、戦場にいる間のアルコール・麻薬の使用、あらゆるものとの性交渉は厳禁

・対象年齢は22~50歳で、それ以下の場合は親族の承諾書、それ以上の場合は運動能力検査で健康であることを証明する必要がある。

・死亡した場合、遺体は希望の場所に埋葬する。出身地に英雄の墓がある場合はそこに入ることも可能。希望がない場合は当社専用の墓地に収容する。

・あなた方が刑務所から出られるのは、死んで棺に入った状態でのみだ。これに挑戦すれば、生き残ることは保証できないが、生き残る可能性はある。

出典と動画、全文:Telegram

 

☛過酷な条件にもかかわらず、かなり多くの囚人が志願したようです(上記動画には囚人を輸送するバスの車列を見ることができます)

 

 

★ウクライナの解放済み4地域での住民投票
 
9月20日には、ロシア軍によってウクライナのナチスの独裁者の手から解放された4つの地域での住民投票の日付が発表されました。
 
その結果は、皆さんもご存じの通りで、ほとんどの住民がロシアに属することを選択し、表明しました。
 
 
(出典:Telegram
 
 
・国際監視委員からも、「透明性のある選挙」とおすみつき!
 
(出典と動画:Telegram)
 
 
8年間も待ち続けたロシア併合の夢がかない、大喜びの地元住民たち
 
(出典と動画:Telegram
 
 
★ロシア国内で一部動員30万人が発表される
 
4地域の住民投票発表の翌日の9月21日
 
(出典:Telegram
 

ロシアで限定的な動員が発表され、政令に署名された。

ウラジーミル・プーチン大統領 は演説でこのように述べた。

「現在予備役であり、とりわけ軍隊に所属し、一定の軍事的専門性と関連する軍事経験を有する国民のみが、兵役のための徴兵の対象となります」

部隊に送られる前に兵役に召集された者は、特別軍事作戦の経験を考慮し、必ず追加軍事訓練を受けることになる。

 

 

ショイグ国防相: ロシアの動員リソースは約2500万人と膨大であるため、今回の一部動員の対象者はそのうちの1%強にすぎない。(出典

 

前日から「プーチン大統領が大事な発表をする!」ということで盛り上がっていましたが、この発表が朝に行われた直後に、すでに動員の管理事務所には我先にと希望する市民たちが押しかけていました。

 

・モスクワ

(全文と動画:Telegram
 
・チェチェン
(全文と動画:Telegram
 

一部動員について、ラムザン・カディロフ大統領の発言

特殊任務の遂行は、敵に立ち向かうために必要な措置である。そうでなければ、厚かましい敵が我々の国、都市や村、我々の家にやってくるかもしれない。

プーチン大統領が言うように、「戦いが避けられないのであれば、まず打って出る必要がある」ということだ。

予備役の一部動員という大統領の決定を、私は全面的に支持します。私たちチェチェン共和国は、初日から積極的にこのプロセスに参加しましたが、今は国家元首からの命令もあり、その呼びかけを100%遂行します。

 

その後の報道では、チェチェンでは予定の254%の超過達成を実現したと言われています。要は、人が集まりすぎたようです🤣

 

 

 

・ロシアの某所

 

(前文と動画:Telegram
 
 

 

一部動員の発表に対するロシアの一般市民のリアルな反応

 
日本語字幕をつけましたが、どの市民もこの決定に好意的な内容でした。
 
☛部分動員が発表されてからも、外国も含めた各地方からプーチン大統領の呼びかけに答えるように前線に来る「志願兵」の数も目に見えて増えています。また、ベラルーシとの国境も含め、ロシアの大量の軍装備が移動している様子も多数、目撃されています。
 
10月4日には、自ら望んで動員に参加しようと希望した市民の数が7万人にも達していました。数日前には、プーチン大統領が30万人の動員のうち、22万人強が集まったと発表していました。さらに最新の情報では、この一部動員は終了したと伝えらえれてます。
 
 
・「さらに人員が必要なら、チェチェンの7万人をすぐに送ることができますよ!」
 
チェチェン共和国軍最高司令官カディロフ大統領は、現在戦っている1万人に加わえ、必要であれば、さらに7万人のチェチェン人兵士が出発できる用意があると、圧倒的な数の兵士の動画と共に宣言していました。

アクマット・シラ!!
 
 
(出典と動画:Telegram
 
 
 
★大規模な捕虜の交換・外国人傭兵やアゾフの有名人の多くも返される
 
一部動員発表がされた翌日の9月22日
 
 

(全文:Telegram

ロシア・ウクライナの間で、衝撃的で重要な捕虜の交換が行われた

・サウジアラビア が両国の仲介に入ったという(画像参照)
・今回の交換で、捕虜として生命の危険にさらされていたロシア連邦軍やドネツク、ルハンスクの軍人55人がウクライナ領から返還された。@ロシア国防省

☛エイデン・アスリンなどのイギリス人の傭兵の帰還は、イギリスのマスコミも報道していたので確認が取れた情報です。

また、軍事通信員によると、サウジアラビアに派遣された #外国人傭兵 は、
イギリス 人のエイデン・アスリン、ショーン・ピナー、アンドリュー・ヒル、ジョン・ハーディング、ディラン・ヒーリー、
米国人のアレクサンダー・ドルーケ、アンディ・フーン、
モロッコ人のブラヒム・サドゥーン、
クロアチア人のヴィエコスラフ・プレベグ
の10名であるとのことです。(出典

 

 

無事にロシアに帰ってきて家族に連絡するロシア兵たち

(動画:Telegram

 
ロシア側から移送された215人のウクライナ人囚人が、これまでに55人のロシア兵と交換された。さらに32人のロシア兵が帰される予定になっている。
 
 
(出典と個別の画像:Telegram)
 
一方、アゾフスタルで集団降伏したアゾフの有名人ナチスたちも捕虜交換で引き渡されていました!

ウクライナの情報筋によると、ロシア政府は、マリウポリのアゾフスタール工場で降伏したナチス・アゾフ 大隊のデニス・プロコペンコとスヴャトスラフ・パラマール、旅団長のボリンスキーを捕虜交換で移送したとのこと。
 

この大量交換では、ウクライナ兵士の数が圧倒的に多かったこと、ナチスの戦犯アゾフが多く含まれていたことなどから、ロシア側からは、カディロフ大統領をはじめ、強い不満が多く出ていましたが・・・

 
しかしドンバスがロシア併合されることになった場合、同地域で存在していた死刑を捕虜に適用するのも難しくなるでしょう。また、ウクライナが身柄を確保していたロシアの捕虜が「全員」帰ってきたということで、これも「仕切り直し」のように思われました。
 
むしろ、返された元捕虜のウクライナ兵士が前線に出た場合、一番の標的にされそうですし!
 
また、ウクライナの女性兵士100人前後と、ロシア側の船乗りを中心に110人で捕虜交換がされたという情報も昨日出ていました。
 
 
★住民投票の結果についてのプーチン大統領のスピーチ
9月30日
(出典:Telegram
 
開戦当初のスピーチよりも、より断固とした姿勢が明確にされた名スピーチでしたね!
 
その後、新しくロシアに併合された地域の軍隊(ドネツク、ルハンスクなど)も、晴れて「ロシア連邦軍」と一部となることになりました。これにより、軍内部での手続きなどもずっと簡易化されるでしょう。
 
 
★「ハルマゲドン将軍」スロビキン氏、就任初日にミサイル・ドローンの一斉攻撃でウクライナに就任のご挨拶
 
クリミア大橋爆破テロ事件の直後、激しい空爆が再開した10月10日
 
(出典:Telegram
 
このスロビキン氏は、シリア戦争で大きな貢献をした人物で、陸空海それぞれの分野に精通しています。さらに徹底した戦略を好みながら、兵士の命を最優先するという側面もあり、かなり評価が高い人物です(リンク)。
 
カディロフ大統領からも、「真の将軍であり戦士であり、経験豊かで、意志が強く、先見の明のある指揮官であり、愛国心、名誉、尊厳といった概念が常に最優先される人物である」と太鼓判を押していました。(リンク
 
私は個人的に、就任のタイミングからも彼の存在はロシアの「冬将軍」としてとらえています。
 
激しくお気に入りなのは、このポスター!!💗
 
 
・「ハルマゲドン将軍」のスロビキン総司令官、
・最近、西側への温和な態度を一転させ、毒舌が冴えわたるメドベージェフ氏(サングラスに注目!)
・ワグナー社の代表で、プーチン大統領とも緊密な関係にあり、今は囚人を一流のスペツナズに育てようとしているプリゴジン氏(髪の毛の薄めの人)
・「プーチン子飼いの狂犬」「インスタグラムの覇者」「世界で最も制裁を受けた男」など様々な異名を持つチェチェンのカディロフ大統領
 
ここにルカシェンコ大統領も入っていたらいいのに、と思いながらも、年齢的にこちらは若手ホープ?の集まりともいえるかも。
 
ハルマゲドン将軍だけでなく、ロシア軍上層部内でも様々な人事の異動があると言われています。新編成のロシア軍2.0の構築中?
 
 
★ウクライナによる原発や大橋へのテロ行為を批判
 
ノードストリームのパイプラインではテロリスト国家(英米)がテロ行為を行い、クリミア大橋でも別のテロリスト国家(ウクライナ)がテロ行為を行った直後、しばらく静かだったロシアの空爆が一斉に再開されたことで、国内からは称賛の声があがっていました。
 
10月10日付
 
スロビキン総司令官就任と同時期に、プーチン大統領が最近のウクライナによるテロ行為を簡潔にまとめています。
 
(出典:Telegram
 
 
 
★ベラルーシとロシアの間の軍事的連携、戦闘準備が進められている・新しい軍事サインの登場
 
 
(出典:Telegram
 
両国の大統領たちは緊密に会合をし、兵士や軍装備が両国間で激しく移動しています。
 
(出典と個別の画像:Telegram
 
注目を集めているのは、ベラルーシで目撃された軍装備の多くについていた、三角△に数字の2が入った新しいサインです。このサインは何を意味しているのでしょうか?!
 
 
☛そして今日は、プーチン大統領が10月19日の今日、ロシア連邦の安全保障理事会を開催し、メドベージェフ氏が講演する予定になっています。(リンク
 
 
2月末の開戦から志願兵として前線に出ていた兵士たちの契約期間は6か月で、それ以上はいられないと聞いています。ちょうどその契約が終了する兵士が一番多そうな時期に、限定的動員が発表されました。
 
解放済み4地域の住民投票の結果から、同地域の軍隊も正式に(西側や国連がどう言おうと)「ロシア軍」の一部になって軍の構成もより自由になり、総司令官も立てられて新編成し直されているよう。捕虜も多数が交換され、ベラルーシもなにやら激しく動いています。
 
あちこちで、この戦争の新展開が始まるのはもうすぐか、という声が上がっています。
 
ウクライナ戦争、第二章がもうすぐ始まるのでしょうか?!