山形県の鶴岡市、庄内は日本の美味しい米ーコシヒカリ、秋田こまち、つや姫などの先祖が産まれた土地でもあります。


日本の美味しい米の先祖は明治22年に庄内の農家阿部亀治さんが見出して育種した『亀ノ尾』です。


阿部さんの家で代々その亀ノ尾を作り続けていることを聞き是非見に行きたいと思っていましたが、今回鶴岡市で亀治さんの玄孫にあたる阿部耕治さんとお会いできて、刈り入れ前の亀ノ尾の稲田を見せて頂きました。




当時は今の種苗法の育成者権利(知的財産権)などはありませんでしたので、いい品種ができたら農家同士で種を交換して皆で分けあっていたそうです。


篤農家の阿部亀治さんも惜しみなく皆に種子を分け与えたので瞬く間に 全国に広がり、私たち日本の美味しい米はほぼ全部この亀ノ尾の血がつながっているのです。


その阿部亀治さんの徳を讃えて神社の横に顕彰碑が立てられ、毎年町主催の式典も行われているそうです。






町内の保存会で栽培した亀ノ尾で醸造されたお酒もできているとのことで、2合瓶1本頂きました。

大切に飲ませて頂きます。


ところが大変心配なことがあります。


このような昔から行われてきたタネの交換会も、政府は現在 自家採種禁止の種苗法改定に基づいて、監視、対応(取締)機関を設置しているところですので、来年からは厳しい刑事、民事の取締まりが始まりそうな状況になってきました。








政府は伝統的な在来種は自家採種禁止の対象にはならないと説明しましたが、宮城県の伝統的な在来種なめこだけの栽培農家が企業から訴えられたように、企業は在来種を 56年かけて固定して新しく品種登録しているのです。


例えば赤シソ青シソだけでも7種類品種登録されています。


山形県は伝統的な在来種の宝庫とも言われているところです。


各国とも自家採種は農民の権利であり、国際法上(日本も批准している条約ありそのようになっています。


このようなことは絶対に許されません。

 

山形県は国が種子法が廃止してもすぐに種子条例を制定して、米、麦、大豆の公共の種子を守りましたが、私は多様な在来種を守るためにも、是非山形県でも種苗条例を制定して頂けないかと


鶴岡市の皆さんと話し合い、もう一度種苗条例制定に向けて伺いたいと思います。