俺がちんぐだという不治の病を発症した
次の日、四人で軽く2時間程睡眠を取り、それぞれパレスを出、俺はぽちゃ子と方向が同じなのでモーニングを食べていた。
そこで色んな話をした。
最近の恋愛の話、春から始まる仕事の話、価値観、押しに弱く、以前にも昨日の様に許した事があったが、断れない自分を悲しく思っていること。実際昨日も雰囲気やテンションに任せてしまったこと。。
俺は悪く言うと、その場の空気感を誘導し、乱になるように仕向けていた。それ自体は悪い事ではない。事実、彼女達は笑っていた。でも俺は相手の心を見ていなかったと思った。テンションを上げてはっちゃけるのは悪くない。この上なく楽しい。でもその先にある、辛い時、悩んでいたりする時に突然現れる非日常の中で未来に生きる何かを、それは女の子に対するリスペクトであったり、初対面で楽しくしてくれる相手への感謝であったり、なにより心からの笑顔であったり。それは人それぞれだが、そういったものを与えてこそ、普通にしていれば無かった出会いだからこそ、フラットな目線で接することが出来る意味のある出会いなんだと思った。本当の笑顔を引き出してこその本当にカッコいい男なんじゃないかと。そういう大切なものを飛ばしてまで決めるゴールは、価値が無かった。
俺はバイバイする時、連絡先は聞かなかった。
昨日の夜あんなに次の遊びの企画をしたのにだ。ぽちゃ子もまた、連絡先を聞いてくることは無かった。
唯一の救いは、別れる時笑顔で「ありがとう」と言ってくれたことだ。俺は春から仕事がんばれと言い、その場を後にした。
いつもの喫煙所で、タバコに火をつけた。
色々と思う事があったが、わからなくなってその思いを煙に乗せて、ビル街に向かって吐き出す。
朝日に照らされ、白い煙が揺れていた。
アディオス
アディオス!!!