介護というと身の回りの世話とかを想像される方も多いと思います。それももちろんあります。
しかし、別なものとの戦いもあります。

今日はそんな話。



うちの母親は「要介護2」です。この数字は大きくなれば大変な症状。小さいほど軽度な症状なのであるが、介護が必要な状態には変わらないので、いずれにしても家族は大変なのである。

今は国の法律も厳しくなり、認知症の症状が無ければ要介護がもらえることも難しいらしい。


なのでうちの母親は誰が見ても認知症の症状が出ている。ということになる…。年齢から考えれば10年は早いかと思う。


そして家族が注意を払わないといけないのが電話である。会話の受け答えはそれなりに出来てしまうので、本人も認知症の自覚はあまりない。


出れる時は電話に出てしまうのだ。

何てことない電話なら良いが、この世の中そんなに甘くないものだ。


最初にかかってきたのがフランスベッドの会社だった。


会社名は伏せるが誰でも聞いた事のある超有名な会社だと思う。その昔、人気力士をCMで起用していたから。


ある日、突然見知らぬベッドが搬入された。


母親に訪ねると、今後のことも考えてしっかりしたベッドを用意する必要があると説明を受けたらしい。その後、誰の承諾もなく間髪入れずに契約&搬入といった流れだと。


一応、値段を聞いてみると…。



聞いたこともない法外な値段だった。


そしてベッドを見ると、値段に似つかわしくない貧弱なベッドだった。



ボクはすぐにクーリングオフ制度を利用して返却するよう母親に言ったが、認知症の母親は聞き入れずにいた。


仕方ない。ボクが業者に電話をした。


向こうも慣れたもので、そういった老人を相手に商売をしているのだろう、なかなか粘る。
そして強気な姿勢だ。


やっていることは詐欺まがいだが、法に乗っ取って契約したものなので簡単には破棄できません。と


ふぅ。まぁ、ボクも穏便に済ませたいところなので冷静に対処していたつもりだが、堪忍袋の緒が限界に達する。


ちょっとだけ強めに言ったら簡単にクーリングオフが出来ます。と言ってきたので、早く撤去するようにと念を押した。(会話の内容は差し控えさせていただきます)


次の日には来て深々とお辞儀をしてきたので許してあげることにした。ここで手をあげるとこちらが悪くなってしまうので…。


今はネット社会なので、変な商売をすると一気に世の中に知れ渡るものである。


業者も生き残るのは大変だが、詐欺まがいな商売は断じて許されるものではないのだ。


認知症が進むとこういった業者との戦いが待ち受けているということは覚悟をしておかなければならないのである。


まあ、こんなものは序章に過ぎないが…。


今は介護保険でベッドも割安な値段でレンタルが可能なのだ。知識は身を助けるものである。