ものすごく寒かった早朝、父がゴルフに出掛けた

予定されていたから私も合わせて早起きたが
父と顔を会わせたくなくて別の部屋にいると
出掛ける父に向かって母が叫んだ

置いていくんかいドンッ


このところ、妄想で調子の悪い母
これまでは父に言われてベッドに戻って二度寝が出来ていたが、今はそうはいかない

二人が怒鳴りあう玄関に行き、母さんに「いるよ、私が」と声をかける
父には「こんな感じでゴルフに行って楽しいのか?」とすごむ

父はいつもの台詞を言った

恐ろしいヤツだ

まただ
ずっと言われ続けている言葉を言い放って、ゴルフに出掛けていった

ふぅ😵💨


母のデイサービスまではまだ時間がある
ご丁寧に父は居間の暖房もオフにしていった
部屋が暖まるまで母のベッドに二人で潜り込む
少しして、寝息が聞こえてきた

ふぅ😌💨


出掛けていったんだから、とりあえず無事に帰って来ますように

祈る
そして怒り

父のゴルフのお陰でアルバイトを二つも辞めた
ふざけるな!

そして思う

出掛ける時、せめて母さんに「ありがとう」と言ってくれたなら

だから呟く

ありがとう、と



私は父に似ている
嫌いだから何とかしなければと思ったこともある

反面教師
心屋塾で言うならば師匠

振る舞いを学ぶもよし
振る舞いから学ぶもよし


どんな人として生きていくのか?
だから今は何を選ぶのか?

今起きていることは、自分の選択を見せてくれている
今を引き受ける自分でありたい


父は、私には「恐ろしい」と思える世界を引き受ける覚悟をしているのかもしれない

私は、母のように父をサポートしない恐ろしい娘を引き受ける覚悟をする


父が反面教師なのも、幸せなんだろうな

父と違う幸せな今を私は選ぶことができる
間違いじゃなく違うだけ



読んで下さって、ありがとうございます

つくし野ひろみ