まだ、そばにいてくれるかなぁ

若い頃に足を突っ込んでいたサークルのキャプテンが亡くなった

とても寂しい
もう一度、ビールを飲み交わしたかった
もう一度、あなたの茹でた年越し蕎麦を食べたかった


仲間が連絡をくれた
忘れないでいてくれて、ありがとう


訃報を聞いて
久しぶりに両親に優しい気持ちになった
彼は、本当に優しい人だったから

彼はお母さんの介護を何よりも優先していて
サークルの集まりも介護を変わってくれる妹さんの都合を優先して

スポーツサークルに足の悪い私の居場所を作ってくれて
でも、その優しさを若い頃は歯がゆく思えて、恋心を抱き損ねた(笑)


ふと立ち寄ったコンビニで偶然会ったのが最後だ
私も母の介護をはじめていて、お互いに歳だね、とコンビニの袋の音を一緒に聞いた

人に優しくしたい人だった
逝ってしまうんだなぁ


彼のお母さんが亡くなって少しして、自分の病気が分かったらしい
私は病気のことを亡くなるまで知らなかった

サークルに夢中だった頃の私なら
病気を知らせてもらえなかったことにガッカリして、それを隠そうと自分を騙してイラッとしていただろう
知らせてもらえない自分をみっともないと思っていたから

きょう、彼の訃報で仲間と久しぶりに電話で話しながら
仲間は彼の思いをくんで、病気のことは胸の中に秘めて抱えていてくれたのだと思った
だって彼は、誰であっても自分に気を使わせるのが好きじゃなかったから


葬儀もご家族だけで執り行われる
仲間のためなのかな、コロナ禍に逝ってしまう優しさは

これも若い頃には受け取れなかっただろう
自分の欲しいものだけがすべてで、それしか受け取らなかったから


悲しいけれど
優しくて、うれしい


還暦になり、自分の命の終わりが必ずやってくると実感するようになった

優しい彼と出逢えた私だから
残りの時間で迷った時は、優しい方を選ぶ

被害者意識が強い私は、欲しがるのは得意で優しいは苦手なことだけど
お腹に力を入れて小さな一歩から優しい方を選ぶ

自分の優しいをふくらませていくために


あぁ、寂しいな

もう一度、グラウンドで笛をふくあなたを見たかった🏉


出逢って下さって
ありがとうございました



寂しくて困って書いた
読んで下さって、ありがとう

ひろみ