私は、東日本大震災、そして東京電力福島第一原子力発電所の爆発により、ヒトが居なくなった町に、村に、取り残された猫たちの保護給餌活動をしている『犬班A。』というボランティアです。
今、そのヒトが居なくなった場所で必死に生きる猫たちの居場所がどんどん無くなってきています。
原発から20km以上離れていた飯舘村では、立ち入りに制限が少なかったこともあり、今までは飼い猫では無くとも避難先から通う住民や給餌ボランティアのおかげで猫たちのいのちを繋いできましたが、来春に避難指示が解除されることにより、現在急ピッチで家屋や納屋、倉庫などの解体が進み、餌場を失い、寝ぐらすらも失う猫たちが後を絶ちません。
私は2013年から飯舘村から一時間ほどの場所で被災猫シェルター『福猫舎』を運営しておりますが、原発から20km圏内の旧警戒区域や飯舘村などからの保護猫約80匹を既に保護しており、これ以上は怪我猫衰弱猫以外を受け入れる余裕がありません。
ここにきて解体のスピードが早まり、居場所を失う猫たちを守るためには、飯舘村から連れ出し保護先を探さなければ、今までたくさんのヒトの力で細々と守ってきたいのちを見殺しにすることになってしまいます。
既に餌場を失い、寄り付いていた寝ぐらを追い出され、行方が分からなくなってしまった猫たちも増えていますので、飯舘村のボランティア有志と協議した上で、緊急に引受先を探すため、私がひとまず代表として呼びかけをさせて頂くことに致しました。
保護した猫への最低限の初期医療措置は、こちらでさせて頂きます。
■不妊手術
(既にTNRされ耳カット済の猫たちが多いです)
■三種混合生ワクチン接種
■ウィルス検査
■検便
■駆虫
その上で、人馴れしていない猫であっても、受け入れてくださる方を、切実に求めております。
震災から、原発事故から、既に五年半以上が経ち、TNRが間に合わず震災後に産まれ、ヒトと暮らしたことのない猫たちも多いため、人馴れしていない猫が圧倒的に多いですが、戻る場所はありませんので、トライアル的なお試しの期間を設けることは出来ず、人馴れ訓練をしてからという余裕も無いため、どのような猫であっても、その猫のいのちを誠実に、そして確実に引き受けてくださる方にしかお願いすることが出来ません。
どこのシェルターも、ボランティアも、余裕がなど無いことは分かっていますが、守り繋いできたいのちを見捨てることは出来ませんので、無理を重ねている方に無理をお願いするしか出来ません。
飯舘村の猫たちに残された時間は、ギリギリなところに来ています。
どうか一匹でも多くのいのちを守るために、ご助力をお願い出来ませんでしょうか。
原則としてノンキャリア、またはエイズキャリアの猫たちを丸投げで引き受けてくださる方を切に求めております。
この呼びかけに応えてくださる方、もしくは団体さまがいらしたら、下記までご連絡を頂けますよう、心よりお願い申し上げます。
メール… inuhan_a☆yahoo.co.jp(☆→@)
Twitter… 犬班A。( @kgm_A )
FB… 犬班エー
(日々保護猫のお世話とケアに追われていますので、恐れ入りますがお電話での対応は出来兼ねます。)
ご連絡を頂く際には、下記内容をお知らせ頂けると助かります。
■お名前、ご連絡先(メール、お電話番号)
■引き受け可能頭数、性別
■引き受け可能なキャリア(ノンキャリア限定、エイズキャリアも可、白血病やダブルキャリアでも可、など)
■お住いの地域
■簡単な自己紹介(保護活動をされているか否かなど)
引き受けをお願いするに際し、搬送費用などもなんとかこちらで負担したいと考えておりますので、遠方の方であっても必死で生き延びている猫たちに手を差し伸べて頂けますよう、どうぞ宜しくお願い致します。
恐れ入りますが、私は現在ひとりでシェルターを運営しながら保護猫の通院やケアに加えレスキューや給餌をしている為、確実に引き受けますと言ってくださる方からの対応だけで精一杯になると思います。
何か出来ることはないですか?
引き受けたいけど不安です。
などの質問や不安を解消するためのやり取りに割ける時間は作れませんので、大変勝手を申しますが、初期処置以外は丸投げで引き受けます、と言って頂ける方のみ、ご連絡を頂けますようお願い致します。
また、引き受けようと思ってくださる方が、下記に記載する協働するボランティア各位と繋がりがお有りの場合、直接連絡を取って頂いても大丈夫です。
来月解体されることが決まったある餌場には、10匹近くの猫たちが身を寄せ合って過ごしています。
その餌場に居着いていたキジトラの猫。
この子は体調を崩し、ガリガリになって保護されてからたった三日で亡くなりました。
既に解体が始まってしまった家屋にある餌場も複数存在しています。
避難解除を待たずに住民の方が避難先で亡くなられ、彷徨うことになった猫たちも居りますので、引受先を探している猫たちの数は、数十匹にのぼります。
ヒトにしか守れないいのち。
けれど守るべきヒトが居ない村。
給餌ボランティアがかけた監視カメラには、アライグマやハクビシン、タヌキやアナグマなどが多数写っており、野生動物に餌を奪われながらも、必死に生き延びてきた猫たちです。
毎日定期的な給餌を出来る訳では無く、大量の置き餌をしているため、丸々と太っている子たちも多いです。
ですがこの先餌場も寝ぐらも喪い、餌を探し彷徨っても、ヒトの残飯すらもありません。
除染や解体の作業が全村で行われているため、猛スピードで飛ばすトラックが列を成して走っており、実際、車に轢かれていのちを落とした猫たちは数えきれません。
来春、避難指示が解除はされますが、帰村する住民は少数で、ましてや家屋が新築されることにより餌場の提供を拒まれる場所も出てくると予想されます。
そして、間もなく厳しい冬がやってきます。
餌を求め辿り着いた餌場で凍死した猫や、痩せ細り雪の中を彷徨い怪我を負って保護された猫もいます。
餌場の納屋が大雪で倒壊した場所も。
餌場も寝ぐらも喪った猫たちの運命は想像するのも容易くて、あっという間にいのちは儚く消えていくでしょう。
保護っこ80匹を抱えながらもなんとか細々とレスキューを続けてきましたが、もう、私のチカラだけでは如何ともすることが出来ません。
黒い袋だけが増えて行くこの村で、必死に生き延びてきたちいさないのちを守るため、どうかお力をお貸しください。
お一人でも多くの方のお申し出を、心よりお待ち申し上げます。
どうぞ宜しくお願い致します!
福猫舎 犬班A。
飯舘村ボランティア有志
福光の家 管理人 菅藤拓、菅藤由美