明け方からミッチーくんの調子が更にズドンと落ちちゃって、かけていた毛布を剥いでしまうから、酸素室で過ごすミッチーくんの様子を見ながら、床で座ってウトウトしていたら朝になり。



さみ…と起き出しミッチーくんの様子を覗いたら、更に呼吸が粗くなっていた…。



苦しいね…。


だけど奇跡を祈ってケアしよう。




酸素室から出す前に、ケアや給餌に必要なモノを全て準備して。



急いでケアを始めたけれど、いつものようにちいさなゴロゴロの音を鳴らしながら、ケアを受け入れてくれたミッチーくん。



だけど給餌をしようとしたら激しくえづいてしまったから、うん。もうやめるよ。と言いながら、泣きそうになるのを耐えていた。


それでも、こんな優しい顔をしてくれちゃって、もう、泣くの耐えられる訳ないじゃない…。





駆け足で朝のお世話を始め、何か終わる度にミッチーくんの様子を覗いたけど、キャリアっこ部屋のお世話を終えて、戻ったらミッチーくんはひとりで旅立っていた。



せい猫は勿論だけど、仔猫に旅立たれるのはもっと辛くって。



これからキラキラと輝く筈の時間を、奪ってしまったのだと思ってしまうから。



最期の瞬間苦しんだ形跡があったミッチーくんを、ひとりで旅立たせてしまったという現実を、一瞬受け入れられなくて、酸素室の前にへたり込み呆然としたその後に、一気に涙が流れ出し、例えようのない喪失感と虚無感に襲われた。



だけど悲しんでも誰も喜ばないから、ミッチーくんの頑張りを精一杯讃えよう。



そしてミッチーくんの可愛い姿を、ずっとずっと心に焼きつけておこう。



寝てる時、甘えたくなると、あたしの髪を噛んでそっと顔に手を当てて、ちいさく鳴いてたミッチーくん。



撫でるとゴロゴロが大きくなって、グネった尻尾が震えてた。



優しくて、可愛くて、ちょっと臆病な甘えっこのミッチーくん。



また元気な姿を見たかったのに。


もう叶わない。


もう、叶わない。




あまりに勢い良く無力感に苛まれ、足も身体も動こうとしなくて、ただひたすらに泣き続け。



だけどまだ終わってないことが山ほどあるんだよ…って自分に言い聞かせ、ミッチーくんを安置する箱を探しに行って、ちいさな手におやつを持たせたら、その手のちいささにまた泣けて、吐くほどに泣き続けてた。



ようやく朝のお世話を終えて、も一度気が済むまで泣いてから、お世話の最中もミッチーくんのことで気が気じゃなくて、不満顔していたみんにゃさんに助けてもらおうと、あちこちの部屋に顔を出し。




キャリアっこ部屋では護くんが護くんになって一年が過ぎたお祝いのいちゃこらタイム。



昨夜の不調が嘘だったかのように、今日はご機嫌な護くん。





今日は護くんが護くんになった誕生日。


誕生日、おめでとう。


誕生日、ありがとう。


生きてくれて、ありがとう。



生と死とまざまざと向き合い続けるのは、本当に様々な感情に心を掻き乱される。



甘えっこたちと触れ合っていても、勿論嬉しいし可愛くて愛しいけれど、心に大きく空いた穴を更に大きく抉られる。




夕方、空が夕焼けに染まってきたのを見て、外へ出て泣きながら空を眺めてた。




薄いピンク色から濃いピンクに変わり、更にオレンジ色に変わっていった。


うん。


ミッチーくん色の夕焼けだ。


真っ直ぐ走って行くといい。


そしてお空でたくさん遊んだら、幸せなおうちに生まれておいで。


約束だ。



カトチャンは今日はまたあたしを驚かせてくれて、昨日までは動かなかった頭が上がってた。



キボンヌくんはミッチーくんと同じ位ガリガリだけど、今日も三度の痙攣発作が起きても、その都度頑張って立ち直り、おやつやちゅ〜るを食べている。


どの子も本当に頑張り屋。



泣いてばかりじゃいけないね…。




泣きそうになるのを必死で耐えながら、夜のお世話やケアを終わらせたけど、悲しくてやるせなくて辛くって、眠気がなかなか訪れてくれなくて。



明け方近くにミッチーくんの旅立ちを泣きながらtwitterで呟いて、可愛かった姿を思い出し、泣いて笑って過ごしてた。



ツイートなんてしてないで寝りゃあいいのに、ベッドに転がると元気満タンのおちびたちが甘えてくるから、ちいさくておおきな存在の不在に、きっとまた号泣してしまうのが嫌で現実逃避をしてただけ。



何度味わっても慣れることのない死というものに翻弄され続けていると、心がぺしょんと潰れてく。



だけど、あたしはみんにゃさんのかーちゃんだ。



それだけは、忘れるな。



そしてそれをもっともっと強く思い知れ。




明日も頑張ろう。