本日のランチはたまに行くインドカレー屋にしたのだけど。なんとも言えない気持ちになったので、ちょっと書いておきたくなった。


たまにとは言えコロナ騒ぎが始まって以降のご無沙汰だったので、気付けば1年半ぶりのカレー屋さん。その間何があったのかは分からないが、取り敢えずスタッフが日本人になっていたガッカリからスタート。


だって基本的に外人の方が面白いじゃん?

それまではタリバン系のナイスガイが厨房とホールに存在しており、彼らと交わす会話が楽しかった。カレーの辛さも4段階から選ぶシステムだったが、最上級の大辛をオーダーすると、「ダイジョブ?マジダイジョブ?」と決まって過度に心配される謎サービスを楽しんでたりもした。いや先週も食ったやろみたいなツッコミに対しては、眩し過ぎる笑顔とサムズアップの褐色中年が無駄にカッコ良く見えたりもした。


若い女の子スタッフに案内され、それまでと変わらないいつもの席に座った。メニューはベタつきのない清潔なものにマイナーチェンジされていたが、それも良かったりそうでなかったり。もうちょっとテキトーに営業する佇まいの方が好みだから。

メニューの内容も以前と変わりはなく、お決まりの2種カレーのセットをオーダー。マトンカレーとココナッツカレーをチョイス。どっちもまあ家庭では作らんからという理由で、お決まりの俺コンボとなっていたから。


目の前には見慣れない小瓶があった。中を覗くと、真っ赤な液体が。まあコレを加える事で辛さを強めるのだろうなと思いつつ、一応スタッフに確認。

「これはペッパーソースですか?」

「いえ、辛さが足りない場合はお使いください。」

「そうですか。ありがとう。」

いえ?なんで否定から入った?ペッパーソースではないという事?微妙に噛み合わなかった会話も、まあ用途は思った通りだったので流した。オーダーの時点で辛さを選ぶシステムは、このレッドソースが代用サービスになったのだなと。


カレー到着。

「マトンとチキントマトになります。」

「どうも。」

チキントマト?明らかなオーダーミスであるのは瞬時に気付いたが、俺が店に入った後に客は来ていない。また先にいた客も追加のオーダーはしていないので、誰かとの間違いというワケでも無さそうだった。こういう場合は黙ってソレを食うのが陰キャの鉄則であるから、取り敢えず食うことに。


しかしいざカレーを見て、これは‥‥?明らかに片方はエビが入っているし、もう片方は白い円形模様が描かれていた。画像付きのメニューを再確認するまでもなく、これはエビカレーとバターチキンカレーだ。これは初めてのパターンと少々戸惑いながらも「そんな日もある」と思考を停止して、取り敢えずスプーンをルーに潜らせた。


また困ったぞ。全く辛さを感じない。

その為のレッドソースかと徐々に加えていくのだが、全然効かないの。カレーが入った器の限界まで足したけど、それでも全く物足りない。仕方無く減った分だけレッドソースを足すという作業を続けたが、気付けば小瓶は空に。まだエビカレーが丸々残っているのに。

ここで小瓶のオカワリをオーダーできないのも、また陰キャのSAGA。そんな事をしようものなら、“レッチリーマン”や“シャア専デブ”などのあだ名をつけられるのではという被害妄想に怯えたから。


そんなワケで全く味を感じなかったエビカレーも無心で平げ、満腹感よりも納得のいかないナニカに支配されたまま退店することにした。

こんな一部始終の間ナンを5枚も追加していた先客の旺盛な食欲も気になってはいたが、そんな事よりコッチの方がアレだった。


会計時ふと先客の方に目をやると、坊主頭で痩せたTシャツ一丁のオヤジが高速でナンを貪っていた。知る人ぞ知る“システマ”の東京代表である北川貴英先生に激似だった。


なんか最後まで何とも言い難い気持ちになり、今でもなんかぼんやりしてコレを書いている。

コレが明晰夢ってやつなの?