本日1記事目


麻婆豆腐でいいよ。


夫の言葉に返事ができない。

一瞬意味を考えてみた。


今日はお弁当を買うつもりで、

病院帰りにスーパーによった。


昨日から、喉は砂漠化して

何度も水を与えてやるのにすぐに干上がってカラカラし、

夜中にコホコホと咳が出る。


医者に見せたら

奥まで真っ赤。と言われてたが

微熱のためにインフルやコロナの検査はやらずに

喉の薬をもらったばかり。



麻婆豆腐でいいよ。の意味は

めちゃくちゃ元気に見えるわたしに、


夕飯作るなら、簡単な麻婆豆腐でいいよ。


の意味である。



嫌がらせでもない。



その証拠に夫は、

風邪をひけば揚げ物でも辛いモノでも食べ、いつもと変わらぬ食欲で治してしまうのだ。



あのね。

わたしは喉が痛いから麻婆豆腐は食べられないし

寝ていたいからレンチンのお弁当を買いにきたの。



そうわたしの自己紹介をすると、

夫はわたしが今どんな状態かを理解する。



自分は喉が痛いだけなら

動き回り、

辛いものも食べるが

妻はそうではない、と。



お昼の分と夜の分。

わたしは揚げ物がない焼き魚の和風弁当にして

夫は豚カツや唐揚げの弁当。

母には大好きなカツ丼。


明日の朝用に瓶に入った焼き鮭や、もずく酢。

小腹が空いたら食べられそうなビスケットや、プリンもカゴに入れてゆく。



本当であれば夕方、夫が行く車のディーラーさんについてゆき、近くの美味しいトンカツ屋さんに行くはずが、行けそうにない。



夫は、夕方は行けるの?

と聞いた。


行けない。


と言うだけでハカハカ。笑



夫に麻婆豆腐は食べられない、作れない、

夕方いけない、いきたくない、と


断る時、わたしはだんまりして考える。


妻たるモノ、夫の頼みや約束を断ってはいけない。


の古い憲法があるから。



それはわたしが38歳で書き換えて、あれから13年経った今でも古い憲法に従いそうになるのだ。


断った後、夫は


ふ〜ん。とだけ言い、


ちゃっちゃと弁当を選んだし、

わたしの体調を心配もしてくれた。


いつもわたしと50/50の夫は

俺もヘルペスだからだるい。とちゃんと自己紹介もする。


(これを聞くとわたしは夫を最優先して、自分は背中が痛いのを我慢して重い荷物を持たなければ、となる笑笑)


んなこたない!


家に帰ってすぐに弁当を胃に入れて、薬を飲みコンコンと寝た。



熱が緩やかに上がって

喉は砂漠から、トローチのヴェールが敷かれて、熱い唾液がトロリと喉から食道へ流れる。




長年、

断るを禁止にしてきたわたしが夫に断り

自分がしたいことを自己紹介して交渉してみたら、


そこには

優しくて体を労わる夫がいる。



体調に厳しいのは誰よりわたしで、

夫は何も言わないのに

どんなに体調が悪くても家事や育児をやり遂げねば許さない。


ああ、わたしよ。



わたしと母の二つの病院に送迎し、ずっとリビングにいてくれる夫に安心して熱を出し寝ていられる。


ああ、そうだったそうだった、と5個目のトローチを砂漠の中で転がしている。






Meg.