①東京都美術館 「荒木珠奈」展 うえののそこから はじまり、はじまり アートはクスリ | タロットのささやき、こころの景色

タロットのささやき、こころの景色

大田区・東急沿線にあるプライベートスペースで、
マルセイユタロットリーディングをおこなうHARUです。
おやつとお茶を楽しみながら、じっくりゆっくりタロットを介してじぶんと向き合う時間。
月に数回、定期的にカフェ鑑定も行ってます。

 

東京都美術館ギャラリーA・B・C

 荒木珠奈展

 うえののそこから「はじまり、はじまり」

 

 

 

 

寒い小雨まじりの日になりました。

 

 

「詩的な混沌」

 

 

作家がメキシコ留学中に見た

町の電線から違法に線を引き込み

電気の不正使用をする住民たちの

貧しくもおおらかでしたたかな姿が

作品のベースにあります。

 

 

 

 

色とりどりの明かりがお祭りのよう、

宙に浮かぶ箱たちは

夜の丘から見下ろす

メキシコの町並み。

 

 

 

 

下の方に吊り下がったいくつかのソケットに

「家」を取り付けられる「参加型」作品でもあります。

 

 

私がつけさせてもらったのは

この緑の家。

 

 

 

 

 

「うち」

 

「うち」とはHOMEのこと。

「家」ではなく

もっと親しみや郷愁を感じさせる「うち」

 

 

さまざまな形の白い木箱、

その中から電球のあたたかな光がもれています。

 

遠くから眺める夜の団地のあかり。

 

 

 

 

 

 

それぞれの住まいから

住民の生活する気配と音、そしてにおい。

 

 

 

 

夕ごはんのにおい、

テレビの音

家族の話し声

 

 

 

 

部屋番号が記された木箱の中は

こっくりとした蜜ろうが塗られ

人影や猫などのシルエットの銅版画が。

 

 

 

餌を食べるネコを見つめる

飼い主がいました。

 

 

黄色みをわずかにおびた乳白色の蜜ろうが

人の手のぬくもりを感じさせます。

 

 

 

 

 

壁にかけられた鍵を係の方から受け取り

 

ランダムに並んだ箱の中から

その番号の部屋を探していきます。

 

 

 

 

私の受け取った部屋の鍵は

420号室。

 

 

ここにありました。

「420号室」

 

 

 

蜂蜜色の室内には

棚から何かを取り出しているところ?

何かをしまって片付け中?
 

 

 

夜の窓の外に身を乗り出している?

四角い黒い空間に吸い込まれていく?

 

 

その隣の展示室には

一転して

暗い世界が。

 

 

「見えない」

 

 

 

311後、

放射能をはじめとした

目に見えない不安感や嫌悪感を表した作品。

 

 

この壁から床へと不気味に増殖する黒いものは

竜舌蘭の繊維を丸めたもの。

洪水で流されていったひとたちの

頭部にも見えるのでした。

 

 

「Refuge1」

 

 

小さな作品だけど

 

 

「Refuge2」

 

 

温暖化現象で湖が干上がり

土地がひび割れているように見えます。

 

静かに静かに

そっと悲しみがにじむような作品たち。