■幸福実現党党首・釈量子
 --朝日新聞が今月5日、6日付の紙面で、慰安婦問題の報道に関する検証特集を掲載。誤報を一部認めました
 「裏付け取材が不十分だった点は反省します」として、吉田清治氏の済州島での「慰安婦狩り」証言を虚偽だと認め、記事を取り消すとしたほか、「女子挺身隊」と「慰安婦」の混同についても認めました。しかし、紙面を大きく割いて展開されているのは事実誤認の弁明にすぎず、慰安婦問題そのものが捏造(ねつぞう)であることは認めていません。捏造の歴史にほかならない「従軍慰安婦」が外交問題化され、世界に拡散される上で、朝日新聞の果たした役割には無視できないものがあります。検証記事として甚だ不十分であると言わざるを得ません。
 韓国政府は来年中に「慰安婦白書」なるものを発刊し、“被害の実態”を世界にアピールするようですが、日本の名誉を回復するには「従軍慰安婦」問題への旧日本軍の関与を認めた「河野談話」の白紙撤回が急務です。昨年夏、わが党の大川隆法総裁が政府の歴史認識を改める新たな首相談話の参考として「大川談話-私案-」を発表しました。安倍晋三首相には戦後70年を機に新談話を発表し、正しい歴史観に基づく日本の姿勢を打ち出していただきたいと思います。
 --間もなく69回目の8月15日を迎えます
 映画「永遠の0」の大ヒットにみられるように、歴史認識の見直し機運が高まっているのはうれしいことです。しかし例年、この時期になると左翼陣営や一部メディアは、首相の靖国参拝をクローズアップし、軍国主義の復活と非難。中韓両国の反発を引き出すことで政治・外交問題化させるのが、彼らの常套(じょうとう)手段となっています。
 5月末にシンガポールで開かれたアジア安全保障会議で、安倍首相が靖国参拝について語ったところ、会場は拍手に包まれたと言います。祖国に殉じた方々に哀悼の意を表すのは、万国共通の心情と言っていいでしょう。国の指導者が戦没者の慰霊を行うのも当然の務めであり、本来、国内外から非難を浴びるいわれなどないのです。
 日本の誇りを取り戻すための活動を展開している幸福実現党として、今年も終戦の日に靖国神社を参拝します。
 --歴史認識の見直しについては、東京裁判史観をめぐり、米国との関係を問う意見もあります
 歴史認識の見直しをもって、「歴史修正主義」と批判されることもありますが、事実を改竄(かいざん)しようとしているわけではありません。米国をはじめとする連合国側が、日本を一方的に断罪した東京裁判が真に正当なものであったのか、検証すべきではないでしょうか。先の大戦において日本が戦ったことが、アジアやアフリカ諸国独立の大きな力になったことは間違いありません。欧米列強の植民地支配から有色人種を解放し、人種差別政策を打ち砕いた功績は評価されてしかるべきです。
 こうした歴史観の見直しは日米関係に亀裂を生じさせるとみる向きもあるでしょう。しかし、広島、長崎への原爆投下や東京大空襲による一般市民の大量虐殺に正当性があったと言えるでしょうか。
 7月末、広島に原爆を投下した「エノラ・ゲイ」の搭乗員12人のうち最後の生存者だったセオドア・バン・カーク氏が93歳で亡くなりました。カーク氏は2012年に出版した回顧録で、「日米双方の犠牲を最小限に抑え、戦争を終結させた」と原爆投下の意義を語っていました。
 米国人の多くは「原爆投下がなければ日本本土決戦となり、米国側にも100万人の犠牲者が出た」という歴史観に基づき、「戦争を早期に終結させるために、原爆投下は必要だった」と考えています。しかし、当時の日本は継戦能力を欠いており、原爆投下に正当性を認めることなどできないでしょう。新型兵器の威力を試す人体実験とみなすほかはありません。そもそも、トルーマン大統領が原爆投下を決断した時点で、日本上陸作戦による犠牲者数の推定は多くて6万人だったと言います。「100万人を救った原爆投下」は歴史の捏造にすぎません。戦後の良好な日米関係を踏まえ、米国側にも反省を促す時が来ていると思うのです。
【プロフィル】釈量子
 しゃく・りょうこ 1969年、東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒業。大手家庭紙メーカー勤務を経て、94年、宗教法人幸福の科学に入局。常務理事などを歴任。幸福実現党に入党後、女性局長などを経て、2013年7月より現職。