2月某日、美術家たちの沿線物語 小田急線篇/京王線・井の頭線篇@世田谷美術館に行きました。
世田谷を走る東急、小田急、京王の私鉄3社8路線。
その沿線ゆかりの美術家たちをとおして、“世田谷の美術”を新たな視点で紐解く展覧会です。
「美術家たちの沿線物語 小田急線篇」展覧会チラシ
2020年の田園都市線・世田谷線篇から続いてきたシリーズが今回、小田急線篇と題して完結。
前回気づいた時には会期終了していて残念だったので、最後に見ることができてよかったです。
完結編となる今回はシリーズ過去最多のボリュームとのことで、さらに京王線・井の頭線篇も同時開催中だったので、たっぷり鑑賞できました。
「美術家たちの沿線物語 京王線・井の頭線篇」展覧会チラシ
横尾忠則、瀧口修造、武満徹、土方久功、片岡球子などなど、こんなにも多様な作家たちがゆかりあることにも改めて驚きました。
展示作品も、絵画や彫刻をはじめ、写真、映像、映画美術の資料など様々あって興味深かったです。
なかでも楽しかったひとつは、東宝スタジオの『ゴジラ』の絵コンテ写真とか『七人の侍』の美術資料なども見られたこと。映画のメイキング大好き!
沿線の歴史も色々紹介されていて、馴染みの場所が多い世田谷だけど、知らなかったことが沢山あって面白かったです。
たとえば、京王線の明大前には江戸幕府の火薬庫があったことから当初「火薬庫前」という駅名だったとか、千歳烏山には喜多川歌麿や速水御舟の墓地があるとかとか。
さらに、こんな立派な小冊子セットまで頂いてしまった!(数量限定)
展示の章解説や作家マップを収録した冊子で、シリーズ全4回分が揃っています。
①東急田園都市線・東急世田谷線
②東急大井町線・東急目黒線・東急東横線
③京王線・京王井の頭線
④小田急小田原線
特に各表紙にデザインされた古い沿線マップが嬉しい。会場にも展示があって面白かったので。
以上、掲載できる作品がないので簡単にですが記録ですもいもい
おまけ
世田美のある砧公園にて。
冷たい雨の日で梅も寂しげだったけど、
シトシト雨音が楽しかった
あとルソーのヘンテコ缶バッジ買ったった!
謎の花粉症アピール🤧
ビッシュさんも花粉症だったのね笑
ヒゲどこから生えてる🥸
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【もいメモ】
- 千歳烏山には関東大震災によって浅草や築地から移転してきた寺院が26も集まり「世田谷の小京都」と呼ばれた。
- 田園調布は田園都市として構想されたのに対し、成城は学園都市として構想され、そこに住んだ学校関係者や生徒の保護者の中に作家や美術家も多かったことから文化的な土地柄となった。
- 成城の朝日住宅2号館の模型。2階の踊り場のような広いスペースがいい。机も置ける。
- 稗田一穂 :ポール・デルヴォーみたいなシュールさと日本的風景が不思議《雪止む》《白いフェンスの散歩道》
- 飯島一次《窓外の紅葉》1944:絨毯みたいにボソボソでちょっとヴュイヤールやモンティセリみたい。赤い光がまぶしく影も赤い。
- 青山悟:森美術館でも見た作家。祖父の可憐な少女像と同じ構図の、世界で活躍する女性政治家の写真を刺繍。《政治家と黄色いセイターの女(メルケル)》2010ほか
- 写真:島尾伸三《まほちゃん》潮田登久子《マイハズバンド》、奈良原一高の代々木、代々木上原。
- 舟越桂:父・保武の作品と。ふと目が合ってしまいそうなゾクッとするリアル。《夏のシャワー》1985
- 「白と黒の会」:経堂〜豪徳寺界隈のゆるやかな美術家たちの集い。美登利寿司などで会合してた!牛島憲之も同会。
- 映像作品:かわなかのぶひろ《スイッチバック》1976アメリみたいなコラージュ、安藤紘平《通り過ぎる電車のように1》1978 電車のいろんな映り込み面白い
- 小堀四郎:孤高の画家@梅ヶ丘。作品売らず、どこにも所属せず、恩師は藤島武二。《笹塚風景》当時の笹塚とても農村。
- 山本常一《夜の杜》1985 ポンポンのようにほっこり(柳原義達《道標 鴉》と共に再び)
- 本郷新《鶏を抱く女》1952, 須田寿《帽子をかぶれる祥子》1953
- 林武《松沢村玉川上水風景》1922:スランプ脱した作品。暗い画面に茂る草木の向こうに松澤病院。「絵を捨てて、もう役場の書記でいいという気持ちになった時、そこに本当の木が生え、本当の空があった。それはまったく無限に深い深い空であった。眼前の自然に目が開き、その美しさにひれ伏す。」