宇宙の話
「 宇宙の話 」
さて、僕がインドで見た宇宙について、少し話をしよう。
正確に言えば、
見た。というより、
感じた。と言った方が、
より近い表現かもしれない。
僕は、ガンジスの畔のゲストハウスのベッドの上で、
手の平を眺めていたんだ。
とにかく、思考に耽る時間は飽和するほどあった。
手の平を見つめながら、
僕は考えたんだ。
僕の肉体は何で出来てるのかな?って。
水、
タンパク質、
アミノ酸、
原子、
分子、
思いつくものは少なかったけど、少なくともすべて地球上にある物質で出来ている。ということはわかった。
そっか。僕は地球上にある物質で出来てるんだ。と思った。
地球上にある物質で出来ているということは、
言い換えれば、
僕も地球だ。
地球ってどこにあるんだろう?
地球は太陽系第三惑星だから、
太陽系の一部。
言い換えれば、
僕は太陽系だ。
太陽系は銀河系の属している。
その瞬間、
自分が宇宙の一部であり、
宇宙そのものなんだと、
気づいた。
つまり、
どういうことかというと、
僕と君との間には、
隔たりがないってことなんだ。
僕の皮膚と君の皮膚の間には、
空気がある。
でも、僕の皮膚も、
君の皮膚も、空気も、
分解できるだけ分解していくと、
分子になり、
原子になり、
素粒子になるんだ。
すべての物質は、
その繋がり方や、
繋がる為の個数の違いで、
個性を構成しているにすぎないんだ。
だから、つまり、
最小レベルまで紐解けば、
僕と君の間に、隔たりはなく、
すべては、宇宙において、
繋がっている。
ということなんだ。
そう、
すべてはひとつなんだ。
黒田誉喜
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