令和五年八月二十日(日) はれ






前回、第二十九番札所のお話はこちらです。

あれからだいぶ日にちが空いてしまいました。

お陰様で貧乏暇なしな日々です。






閑話休題、今回はあの中田観音です。

中田観音といえば野口英世博士とその母シカの物語が有名ですね。

ということで勝負Tシャツでお参りします。






広域農道・会津パールライン。

首を垂れ始めた稲穂の海を渡っていきます。

暑い。わかっていても暑すぎる。

本日も熱中症アラートが出ています。

不要不急の外出自粛が呼びかけられています。






宮川を越えると会津美里町、旧新鶴村に入ります。

彼方の飯豊連峰は雲の中。

コースは直射日光が容赦なく差してきます。

逃げ場はありません。






中田観音ともなりますと至る所に看板があり迷うことはありません。

今日は先に昼メシをやっつけたいので新鶴駅方面に直進します。






そうそう、今回の相棒はこちらの参号機。

ブリヂストンのクロスバイク、先日知人に譲っていただきました。

四半世紀以上前の年式の零号機(MTB)と比べると軽さが違いますね。

あと1ヶ月もすれば稲穂をバックに映えるかもしれません。






旧新鶴村の市街地。

突き当たりを左折すると新鶴駅です。







駅の隣に人気の肉屋さんがあります。

ここずっと来たかったんですよね。ようやくタイミングが合いました。

日曜日ってこともあるでしょうが県外ナンバーも多いです。






肉の丸長本店。

右から入ると精肉店、左から入ると焼肉店。

いざイートイン席へ。






うーん、目移りしちゃう。

赤字がオススメ品てことなのかしら。

まあここは3点盛りの焼肉定食でしょ。






とりあえずノンアル。

アルコールの摂取は脱水症状から熱中症の原因になるので自重。

というか自転車も飲酒運転は違反ですから。






来ましたよー。

桜カルビ、桜ホルモン、桜ハラミの3点盛り。

鮮度抜群なので軽く炙る程度でOKだそうです。

なんじゃこりゃ。

激レア焼肉悶絶昇天コース。

そりゃ県をまたいでファンが来るわな。






桜レバー追加。

ぷるんぷるん。ごま油と塩でイキます。

スゴい。ハズレなし。

メニューの端から端まで平らげたい。






そんな人気お肉屋丸長さんはJR只見線の新鶴駅の隣にあります。

あのお肉は電車で来てビールで流し込むのが作法でしょう。






ガチローカル線、1本逃したら2時間待ちよ。






無人駅のホームから。

別に撮り鉄でも乗り鉄でもないので電車は待ちません。






中田観音の最寄駅は次の根岸駅。

只見線の線路に沿って南下します。






宮川の支流、佐賀瀬川を越えたところで只見線に遭遇しました。

やっほー。






根岸駅通過。

電車巡礼の人はここから歩きます。






有名観光スポットでもある中田観音。

道路も案内板もよく整備されています。

これまで回ってきた多くの「集落のお堂」とは趣が異なります。






これは新鶴産シャルドネの農場でしょうか。

新鶴ワインは最近よく見かけますね。






中田観音にとうちゃこ。

記憶が定かではないですが、実は初めて来たような気がします。

元々神社仏閣にはさほど興味がなかったもので。






やっぱり正面から入るのが作法よね。

創建は鎌倉時代ですが現在の仁王門は江戸時代後期に修復されたものです。






石柱には大正四年とあります。

これは結構新しいものです。






右手に阿形像。






左手に吽形像。






仁王門をくぐると弁天堂があります。

今は弁天様が祀られていますがこの建物が元々の観音堂だったそうです。






堂々たる伽藍。中田の観音様。

ご本尊の十一面観音像は鎌倉時代後期の鋳造。

恋煩いを拗らせて十七歳で亡くなった常姫。

その一人娘を弔うために長者江川常俊が観音像を作ったと伝わります。






名所なだけにいろんな人が来るのでしょう。

撮影禁止の箇所や注意書きが多いです。

向拝を撮るのも気をつかいます。






御詠歌が納められてられています。

会津三十三箇所の札所の一つですが中田観音は中田観音。

ピンでも圧倒的な知名度があります。

会津のころり三観音(中田、立木、鳥追)のほうが定番でしょうか。

三観音にお参りすれば苦しまずにコロリと極楽往生できるという信仰。

延命治療とか安楽死とか…現代でも人々が直面する大問題です。







七福神の姿も。

なかなか賑やかです。






十一面観音菩薩と脇侍の不動明王、地蔵菩薩の三尊は国の重要文化財です。

拝観は予約制なので今回は外から拝むだけにします。

南無観世音菩薩。


会津三十三観音 第三十番札所

中田観音 十一面観世音

曹洞宗 普門山 弘安寺

大沼郡会津美里町米田字堂ノ後甲147


御詠歌

巡り来て四方の千里を眺むれば

これぞ会津の中田なるらん






雷鳴が聞こえてきました。

猛烈な雷雲が迫っています。






激しい雷雨は猪苗代のあたりでしょうか。これはまずい、早く帰らねば。

そうそう猪苗代といえば野口英世博士。

母のシカは中田観音を深く信仰し毎月十七日にお参りしていたそうな。

英世の立身出世と怪我の治癒を祈願しにはるばる猪苗代から徒歩で。

なんという健脚。なんという愛情。

自転車で横着してすみません。






ポチッとな。






次の立木観音は最初に回っているので次回は三十二番青津観音に飛びます。








参考文献

会津の霊場めぐり奉賛会「会津霊場めぐり」 88新書