冬になると | シマ・ジャニーといっしょ

シマ・ジャニーといっしょ

子猫のような小柄な猫さんと、同じく小柄な私。
猫さんは五匹のママ、私は男の子のママ。
ママ友って言うのは強引だけど、
そんなところも惹かれて猫さんと一緒に暮らすことになりました。
どうぞよろしく☆


冬といえば、こたつだ
寒がりな私は
暖房をたいた部屋は
まだ心許なくて
カンカンに暖かくなったこたつに
潜り込み、
こたつ布団を首まですっぽりと包んで
からだを丸めて
やっとひとごこちがつく

ぬくぬくと暖かい感じは
まさに至福の心持ちで
窓から見えるほの白い空と
いかにも寒そうな風の音を
聞きながら、あぁここは幸せだなぁ
と、ますますこたつから出られなくなる

観ているテレビがどうでも良くよくなり
目を瞑って音だけで追っているうち
お決まりのように眠気がおそってくる
大人になっても気がついたら落ちている気分は
抗いようのない快楽のようなものだ

子どもの頃は、毎回それが新鮮だった
目が覚めると昼から夕方になっていたり
よく寝てたねぇ、と言う母の声が
妙に明るくて
夢現つから強引に引き戻されるような
なかなかのちからを持っていた

両親の性格というか性質というのか
似たような雰囲気だったり
一見するとバランスが取れていて
母が父を陰で支えているように
見えるのだが
些細な日常のあれこれを
2人と過ごしていると
不器用ながらも
細やかなフォローをしてくれているのは
父のほうだと肌で感じるようになった

いそがしいといったことは
父の場合、なんの関係もない事柄で
とにかくそうしないと落ち着かないのだと思う
丁寧といえばそうなのかもしれないし
細かいといえばそうともいえるのだが
父は放っておけない性分というのか
周りのことに気付いてしまうし、
やらずにはいられないのだろう
自分のことを置いといて、と
他の人からはそう見えてしまっても

そんな父は
私がこたつに入って寝ているのを
見つけると
ガタガタと押し入れから毛布をとりだし
上からもう一枚、掛けてくれる
父も寒がりだったのかもしれないが

ソファの上で眠ってしまった時も
テーブルにうつ伏せて眠ってしまった時も
1番に気付いて
掛けてくれるのは父だった

最初は目が覚めた時に
上に掛けられた毛布の意味が
よく分からなかったものだが
そのうち眠っていながらも
父の気配に気付くようになり
私も性分なので、目を開けることも
あついよ、と言って断ることも
特に子どもの頃はどうしたらいいのか
分からなくて戸惑っていたものだ

父さんかぁ、こうやって父について
書いていると
なんとも言えない気分になる

私は間違いなく
父のそういったところを見て育っている
良くも悪くもあるようだが
それはいろいろまぁあるものだから
そう思って言葉を濁してみる

たとえば息子といると
彼はどうやら体質の方は
私に似なかったようで
男の子らしく、
いつもからだは熱を帯びていて
体温は高く、よく汗もかく
お風呂の温度や空調について
私と噛み合わず口論するのは
日常茶飯事だ

こんなに寒くなってきても
寝るときの上掛けは毛布一枚で足りるらしい
本人がそう言って聞かないので
風邪を引くだの言っても
聞き入れないだろうと
私も諦めて
そのまま布団に入るのだか
朝方、掛けた毛布がはだけ
見えたお腹やらつま先が
すっかり冷たくなっているのを確かめて
やれやれと私の布団の半分を掛けてやる

頬に赤みが戻ってきても
彼はもう布団を離そうとはせず
いかにも安心しきった様子で
寝返りをうち、寝息をたて
すやすやと微睡んでいるようにも見える

起きても、布団について
不思議がることはないのは
彼も私の気配を気付いているのかもしれない
だからといって
上掛けを使うといったことにはならない
面倒くさいといえば、そうなのだが
まだ私の布団を2人で使えるうちは
黙っておいてやろうとも思う
それくらい
息子はなんだか満足していて
私も今だけなんだろうな
と思えてしまっているからだ。

たまに実家に帰ると
相変わらず、父は
いろいろ気を利かせてくれる
時々それを私が先回りしたりもする
その様子をまた息子が眺め
そして彼もまた我が子にしてやるのだろう

良くも悪くもだが、私はそれなりに
こんな自分たちと
静かに向き合い、あたため
はぐくみ、少しずつでも
外へとはみ出していけたらと
思ってやまない



今日もお付き合いくださり
ありがとうございます

終わってしまうと
その時間は短く思えてしまう
だからこそ今をどうぞ大切に。
そして、いい1日を。