よつばのブログ

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司法制度改革/司法試験

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1.基本的に、保管場所使用承諾証明書は駐車場の賃貸借契約書で代用できる
 

車を購入すると、警察署への車庫証明申請が必要となりますが、これはディーラーや行政書士に頼まなくても自分で簡単にできます。

そして、駐車場の賃貸借契約をする際に、駐車場の管理会社やオーナーから、「車庫証明を取るために必要です」などと言われて、数千円の発行手数料が必要な「保管場所使用承諾証明書」なる書類の発行を勧められることがあるかと思いますが、それ必要ないかも知れません。

警視庁のWebページにも、車庫証明申請の必要書類として、「保管場所使用承諾証明書(記載事項が充足されていれば契約書の写しでも可)」と記載があります(2021.4時点)。

 

 

保管場所使用承諾証明書の代わりに賃貸借契約書のコピーを使えるのであれば発行手数料の節約が可能となります。

 

通常、駐車場の契約者と駐車場の使用者(車庫証明の申請者)が同じ場合に使える裏技的に紹介されているようですが、実は、駐車場の契約者と駐車場の使用者(車庫証明の申請者)が異なる場合でも、保管場所使用承諾証明書の代わりに賃貸借契約書のコピーを提出することで、車庫証明が取れる場合があります。

※少なくとも、東京都の東京湾岸警察署管内では、OKでした。

 

【ポイント】

①賃貸借契約書に「契約者 江東太郎」という記載の他、「使用者 江東花子」という記載があるか。

②契約者(江東太郎)と使用者(江東花子)が親子、夫婦などの住民票記載の関係であるか。


 

2.使用できる駐車場賃貸借契約書について
以下に、車庫証明申請に使える駐車場賃貸借契約書のサンプルを示します。①~④と⑥の記載は、最低限必要と思われます。

※ 基本的に、賃貸借契約者と駐車場使用者(車庫証明申請者)が違う場合に⑤が必要。詳細は、所轄警察署に問い合わせて下さい。
 
                 

 【基本的に必要な記載事項】
  ①貸主の住所、氏名、捺印
  ②借主の住所、氏名、捺印
  ③駐車場の所在地である住所
  ④駐車場のうち、賃貸対象の区画の番号(駐車位置番号)
 (⑤駐車場の使用者の名前)・・・これは駐車場の借主(契約者)と使用者(車庫証明申請者)が異なる場合に必要
  ⑥契約期間
    ※ なお、申請は契約期間開始前にはできないと思われます。


3.駐車場の契約者と駐車場の使用者(車庫証明申請者)が異なる場合について
駐車場の契約者と駐車場の使用者(車庫証明申請者)が異なる場合でも、以下の条件であれば基本的に賃貸借契約書による申請が可能である思われます。
 

 ①駐車場の契約書に使用者の名前が記載されている。
   例えば、上記の契約書の⑤のように、契約者の名前「江東太郎」のほか、「使用者名 江東花子」といった記載が必要となります。

 

 ②契約者と使用者の関係が、住民票に記載されている関係(配偶者、親子といった関係)であること。
   駐車場契約者と使用者の関係が分かる資料(住民票等)の提出が必要です。

   契約者が使用者と同居している友人であるなど、住民票上分からない関係である場合は、賃貸借契約書を代用する方法で車庫証明は取れない可能性があります(その場合、そもそも、保管場所使用承諾書の発行の有無にかかわらず、車庫証明が取れない可能性があるように思いますが・・・所轄の警察署に問い合わせて下さい。)。
 

 

4.申請書類について
駐車場賃貸借の契約者と申請者が同じ人の場合は以下の書類が必要です。

 ①駐車場賃貸借契約書のコピー(念のため、原本も申請時に警察署へ持参した方が良いです。)
 ②自動車保管場所証明申請書(警察署のWebページからダウンロード。)
 ③保管場所標章交付申請書(警察署のWebページからダウンロード。)
 ④保管場所の所在図・配置図(警察署のWebページからダウンロード。)
 ⑤自動車の使用の本拠の位置とその位置を確認できるもの(例 運転免許証、電気・ガス等の公共料金の領収書、消印のある郵便物)

 

警視庁(東京)の車庫証明申請書類のダウンロードサイト

 

 

 

これらに加えて、駐車場の契約者と申請者が異なる場合には、以下が必要です。


 ⑥住民票の写し等(契約者と申請者の関係が分かる書類)

なお、ネットで調べると、どうやら警察署によって運用が違うようなので、保管場所使用承諾書に代えて賃貸借契約書のコピーが使えるか、契約者と使用者が異なる場合はどうかを確実に知るために、所轄警察署の交通課等に電話で問い合わせしてみて下さい。


5.所轄警察署(車庫証明申請を行う警察署)について
所轄警察署は東京の場合、以下の警視庁Webページから調べられます。

 


※この記事は、2021年4月時点での湾岸警察署管内における車庫証明取得の情報を、本記事の作成者の経験に基づいて記載したものであり、その後、湾岸警察署における車庫証明発行手続の運用上の変更があり得ます。また、他の警察署の運用が、本記事の内容とは異なる可能性があります。実際の運用については、申請時点で、所轄警察署にお問い合わせ下さい。
 

 

-------------以下、あとがき(この記事を書いた理由)------------
 

事業者たるプロが、素人たる消費者に、無駄なものを必要だと虚偽の事実を告げて購入させること(又は、十分な調査もせずに必要だと言い切ること。)は悪質な金の稼ぎ方だと思いますし、実際に消費者契約法上も問題になる可能性があると考えます。


1人でも多くの消費者が、その知識不足に付け込まれて余計な出費を迫られないようにと思い、このブログを書きました。
 

実際に、私も、マンションの賃貸借契約を結ぶ際に、有名な某大手不動産会社から火災保険を二重契約させられそうになったり、必要の無い保管場所使用承諾証明書の発行手数料を取られそうになりました。

 

たぶん、弁護士だとその辺の違和感に直ぐに気づくことができるので、誤りを指摘して是正や契約拒絶ができますが、契約に慣れていないとそうはいかないと思います。


1人でも多くの人が事業者との契約で損をしないように、適正な契約を締結して欲しいを思う今日この頃です。