私は前々から名称は聞いたことがあったものの、内容までは知りませんでした。
1級合格者には、『ビジネス法務エグゼクティブ』
2級合格者には、『ビジネス法務エキスパート』
3級合格者には、『ビジネス法務リーダー』
という称号がそれぞれ与えられるそうです。
1級は、2級を合格しなければ受験できません。
また、公式ウェブページ(http://www.kentei.org/houmu/)を見ると、以下のような記載があります。
(1)1級レベル 受験対象:法務部門に携わる方
業務上必要な法律実務知識をビジネス全般にわたって持っており、その知識に基づいて多面的な観点から高度な判断・対応ができる。(実務的対応能力としてのアッパーレベルを想定)
(2)2級レベル 受験対象:社会人全般および学生(特に管理職(候補)の方におすすめします)
企業活動の実務経験があり、弁護士などの外部専門家への相談といった一定の対応ができるなど、質的・量的に法律実務知識を有している。(知識レベルとしてのアッパーレベルを想定)
(3)3級レベル 受験対象:社会人全般および学生
ビジネスパーソンとしての業務上理解しておくべき基礎的法律知識を有し、問題点の発見ができる。(ビジネスパーソンとして最低限知っているべき法律実務基礎知識を想定)
そして、2級の出題範囲は以下のとおりです。
1 ビジネス法務の実務
・ビジネス実務法務とは
・企業を取り巻くリスクとビジネス実務法務
・企業活動とコンプライアンス・企業倫理
2 取引を行う主体
・株式会社のしくみ
・株式会社の運営
3 会社取引の法務
・ビジネスに関する法律関係
・損害賠償に関する法律関係
4 会社財産の管理・活用と法律
・流動資産の運用・管理の法的側面
・固定資産の管理と法律
・知的財産権の管理と活用
5 債権の管理と回収
・債権の担保
・緊急時の債権回収
・債務者の倒産に対応するための処理手続
6 企業活動に関する法規則
・経済関連法規
・消費者保護関連の規制
・情報化社会にかかわる法律
・事業関連規制
・企業活動と地域社会・行政等とのかかわり
・企業活動にかかわる犯罪
7 会社と従業員の関係
・労働組合と使用者との関係
・社会保険等
8 紛争の解決方法
・紛争の予防方法
・民事訴訟手続
・その他の紛争の解決方法
9 国際法務(渉外法務)
・国際取引に関する法的諸問題と対応のポイント
・国際取引に関する個別の法的諸問題
・WTOと国際通商問題
また、3級の出題範囲は以下のとおりです。
1 ビジネス実務法務の法体系
・ビジネスを取り巻くリスクと法律のかかわり
・企業活動の根底にある法理念
・法律の基礎知識
2 取引を行う主体
・権利・義務の主体
・会社のしくみ
3 法人取引の法務
・ビジネスに関する法律関係
・取引の決済(手形・小切手等)
・契約によらない債権・債務の発生~不法行為・事務管理・不当利得
・ビジネス文書の保存・管理
4 法人財産の管理と法律
・法人の財産取得にかかわる法律
・法人財産の管理と法律
・知的財産権
5 債権の管理と回収
・通常の債権の管理
・債権の担保
・緊急時の債権の回収
6 企業活動に関する法規制
・取引に関する各種の規制
・ビジネスと犯罪
7 法人と従業員の関係
・従業員の雇用と労働関係
・職場内の男女雇用にかかわる問題
・派遣労働における労働形態
8 ビジネスに関連する家族法
・取引と家族関係
・相続
司法試験だけでは身につかない知識も結構問われるようです。
また、2級と3級とでは、少し出題範囲も違うみたいですね。
また、1級は、2級・3級の範囲に該当する法律および関連法令を出題範囲とするそうです。
企業法務、特に組織内で活躍する人にとっては、受験してみても損はない気がします。
私は気楽な気持ちで受けてみようかなと思います。
ただ、2015年度の2級合格率は20%と、それなりの難易度はあるようですね・・・
1級は合格率10%を切るようなので、弁護士でも落ちちゃう人もいるかもしれませんね。
実務家になると、法律の試験問題を解くような機会がほとんどなくなるので、昔を思い出して法律の試験勉強をしてみようかなと思うこの頃です。http://www.kentei.org/houmu/