後悔先に立たず。後悔後を絶たず。 ・・・5 | 昭和42年生まれ元司法浪人無職童貞職歴無しの赤裸々ブログ

昭和42年生まれ元司法浪人無職童貞職歴無しの赤裸々ブログ

昭和42年生まれの元司法浪人生です。
日々の出来事や過去の来歴を隠すことなく赤裸々に語ります。

新たな仕事を探さないといけなくなった。


シフトが入ってないのだ。


塾のシフトは、毎月15日までに各自翌月の予定のうち、都合の悪い日を表に記入し、サインをする。

そして、室長が表を見て、25日までにシフトを決めていく。


講師は自分以外は学生だが、それぞれ予定があるようで、×が結構な数をつけられている。

NGな日には×を入れるのだ。


自分は常に真っ白である。

特に予定などない。

シフトがなくても、急な呼び出しがあればすぐ応じて向かえる。

家にしかいないからだ。


今月はGWの関係もあるのかいつもより1日早く出た。

来月のシフトは週1しか入ってなかった。


週1回では4時間入れても1か月で1万ちょっとだ。

これでは生活できない。

室長に異議を申し立てようと思ったが、返す刀でクビを宣告されるのが怖くて、結局何も聞けずに終わってしまった。


ほかの講師たちは×がいっぱいついているのに、その隙間を縫ってシフトを入れている。

7時以降×を入れているにもかかわらず、7時までの授業を入れられている講師もいる。


なのに、自分は週1なのだ。

ということは何らかの因果関係があって、このシフトなのだ。


しかし、因果関係のもととなる原因が何なのかは、わかるようでわからない。

原因は全て自分が予測したものに過ぎないため、因果関係に明確な論拠がないのだ。


明確にいえるのは、自分またはそれ以外に何らかの「原因」があって、週1のシフトという「結果」が生じたということだけだ。

これが自分で簡単に修正できる原因ならば、すぐに修正して臨み、結果を変えることができよう。

しかし、およそ修正不可能な重大な原因であれば、何をやっても結果は同じだろう。


この原因を室長に直接聞くこともできるが、上記の理由でなかなか聞けない。

もし、修正不可能な原因を突き付けられ、これが修正できなければ君はクビだといわれることも考慮に入れれば、すぐに聞くことは藪蛇だろう。

しかし、原因は自分にあるのか、それとも新たなバイトが入ってくる等の政策的判断か、これだけでも知りたい。

4月のシフトごときでこんなに動揺してはいけないと思いつつ、やはり小心者の自分は気になる。


そもそも、このシフト表は、外の皆が見える場所に張り出されており、あまり好きではない。


シフト表を見ると、別な理由で「嫌な気持ち」になるのだ。


学生講師たちが、アルバイトとサークル、学校とのバランスを考えてシフトを組んでいる。

こういうのを目の当たりにすると、いろいろ想像し、辛くなるのだ。


学業優先とは言っても、アルバイトでお金を稼いで、サークル活動や飲み会、デートや旅行など、学生らしい遊びも同時にこなして学生生活を謳歌している。

塾では生徒に偉そうに勉強しろと言っているくせに、自分は旅行やコンパなどにうつつを抜かしているのである。


自分ももっと楽をしていれば今の人生がどんなにか変わっただろうと、つい思ってしまう。


学生時代から10年くらいは、まさに自習室一色だった。

「自習室と自宅の往復」だけに費やしたのである。


明けても暮れても自習室ばかりだった。

いつも大きなリュックに六法や教科書をはち切れんばかりに収めていた。

朝、択一の過去問を持っていくかどうかで逡巡し、切れたカバンの取っ手をガムテープと安全ピンでぐるぐる巻きにしながら、登山家か通信兵みたいな恰好で出かけた。

昼間は歩いて5分ほどの小さな公園で、夏は親が作ったおにぎり、冬はコンビニの肉まんとピザまんを交互に食べていた。

飲み物は100円自販機で買うジョージアのコーヒーである。


そんな生活では飲み会なぞ行かなかったし、いまだ居酒屋に行ったことすらない。


自習室の窓から見える本屋と定食屋の看板を思い出すと、今でも気が滅入る。


結局、その後も似たような生活を今まで続けてきたのだ。


択一に途中で合格しなければ、未練もなく止められただろう。

中途半端に択一に合格したがために、何年も費やすことになったのである。


択一合格というプライドだけが増幅し、結局、何も財産は残らなかったのである。


塾でも、1人、孤高の人を演じている。

ほかの大学生のガキより一段上にいる、そんな孤高の人を演じていたいのだ。

ただ、プライドだけでは演じきれない。

周りの学生講師たちが話をすれば、聞き耳立ててしまう。

講師の週末の予定なども、喋ったこともないのに、よく知っている。

スカート姿の女性講師が屈めば、その隙にスカートの谷間を覗き込んでしまう。

ほとんど見えないのだが、つい反射的に覗く癖がついてしまったのだ。


こういう姿がばれたのだろうか、だから、シフトを入れてもらえなくなってしまったのだろうか。

想像が想像を呼び気が気でならなくなる。