短編 40.弟みたいなキミにときめくなんてありえない | 「蒼い月の本棚」~小説とハムスター(ハムちゃん日記はお休み中)~

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趣味で小説を書いています。絵を描いたり写真を撮ったり、工作をしたり書道をしたり、趣味たくさんです。古典で人生変わりました。戦国時代&お城好き。百人一首とにかく好き。2016年、夢叶って小説家デビューできました。のんびり更新ですが、どうぞよろしくお願いします。




第1話はこちら↓




「何が…あったの?」

「…理由を答えたら、さっき俺の言ったことをちゃんと考えてくれる?」

「さっきの話って…」


「俺がネズミのそばにいるって話」


私は数分前の出来事を思い出して、ボッと体が熱くなるのを感じた。私がカズナの言動に反応するたび、携帯が激しく振動する。

「そ、そばにって…今もいるじゃない」

「俺が言っているのは、そういう意味じゃない。ネズミの心に深く入りたいって意味だよ」

カズナは立ち上がり、ゆっくり私の前まで歩み寄ってくる。そして脚絆から携帯を取り出すと、私に画面を見せた。

切ったと言っていた電源が入っている。

「トキメカシを辞めた俺が、こうしてまたトキメカシに戻った。何故だかわかる?」






つづく