今まで一度も聞いたことのない

人類の歴史が目白押し
アナスタシア全章振り返り企画

 

近くの村に運命の人がいない時

 

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ヴェド期の若い娘の中で

自分の村や近隣の村との祭で
愛する人に出会えなかった場合

ある決まった日に川へ行き

小さないかだを流すという

儀式があったそうです。
 

 

そのいかだは縁を花輪で飾り

真ん中に娘が自分で作った

ベリーや果物の飲み物と

彼女が植えた果樹の実と

亜麻の繊維で編んだバンドを置き

小さな灯明に火を灯してから

流したそうです。

 

 

 

 

いかだを流す日はすべての村で

同じ日と決まっていたので

 

まだ愛する人に出会っていない

青年たちが希望を胸にひとり

川岸でいかだを待っていたそうです。

 

 

 

いくつかいかだの光が見えてくると

その中から青年は一つを選び

川に入っていかだを岸に引っ張り

灯明を消して、置かれた飲み物を飲み、

家に帰って旅の支度をします。

 

 

 

そして道中に果実を食べ

いかだが放たれた村にたどり着くと、

すぐにその果実のなる果樹園を見つけ

運命の相手に出会えていたそうです。

 

 

 

 

 

 

そのからくりは

 

・灯明の燃え具合と川の流れる速度で

自分の村と相手の村の距離は分かる

 

・味わった果実の木を見つけ出すことは

ヴェド期の青年にとっては簡単だった

 

 

 

 

 

ただ、なぜ、川を流れるいかだが

愛し合う二人を引き合わせるのか

 

どうやって、何によって、

彼女と彼ははじめて出会い、

必ず、突然互いに恋に落ちるのか、

そしてなぜ、彼らの愛は

尋常ではないほど熱く燃え上がったのか、

 

このことについて

正確な説明がつかないけれど

 

ただ、ヴェド期の人々には、

湖や川と結びついた

様々な行事があったそうです。

 

 

 

 

 

 

 

現在の日本でも、灯篭流しや

雛人形を流す行事が残っています。

 

 

灯篭流しは死者の霊を弔い、

流しびなは無病息災を願う、

と今では言われていますが

 

もしも、灯明と男女の雛を

3月3日という決まった日に流す

出会いのイベントの名残だとしたら

なんともロマンがありますね・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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