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しかし、話はこれだけでは終わりません。この物語にはこれに留まらない問題が含まれています。
コペル君は父親を亡くしていますが、生活に困っている様子はありません。むしろ他のクラスメイトよりも綺麗な家に住んでいます。その上、叔父は失業中のため、しばしばコペル君の家にご飯を食べにやってきます。
なぜコペル君はこれほどの生活を送れるのでしょうか。漫画版では描かれていませんが、実はコペル君の亡くなった父親は銀行の重役で、いわゆる女中もいます。同級生も大学教授や医者の息子などです。つまり、コペル君たちはブルジョワ家庭に生まれたインテリの卵なのです。吉野源三郎はインテリ目線に立って物語を構成しているのです。
おそらく「君たちはどう生きるか」というタイトルの含意もそこにあります。「君たち」とは、インテリでブルジョワの階層を指しているのでしょう。要は、この本は、「君たち」=インテリに向けて書かれたものであり、「彼ら」=非インテリを想定読者としていないということです。
もちろんインテリは社会や国家にとって重要な存在です。しかし、インテリには多くの問題があります。この物語にはインテリの問題点も描かれていますが、それはインテリの「ひ弱さ」です。
先程の北見君は山口君との一件で、山口君のお兄さんをはじめ上級生に目をつけられます。そこで、コペル君たちは、もし北見君が上級生から制裁を加えられるようなことがあったら、体を張って止めようと約束します。ところが、実際に上級生たちがやってきたとき、コペル君は逃げ出してしまったのです。
インテリがいかに講釈を垂れようとも、彼らはひ弱であるため、結局のところ時流に迎合してしまいます。これは日本に限らず、万国共通です。たとえば、ヨーロッパでベストセラーとなったミシェル・ウエルベックの『服従』(河出書房新社)にも、フランスのインテリたちが時流に迎合していく様が皮肉なタッチで描かれています。
『君たちはどう生きるか』を称賛している人たちの多くは、ただ本書を持ち上げるだけで、本書の持つ問題点を指摘しようとしません。それではコペル君が批判した同調圧力そのものではないかという思いからも、一言批を加えた次第です。
今だったら、そのまま登校拒否になるか、なんなら自殺でもしかねない。人権派と呼ばれている人ほど「そのままの君でいいんだよ」「子どもがかわいそう」と考えて囲い込んでしまいがちだ。そうやって腫れ物に触るように寄り添って、したいようにさせて放っておくかもしれない。でもその結果、その子の将来はどうなるか等々、考えさせるものがある。
叔父さんは自分でケジメをつけるように厳しく教えた。そして叔父さんのノートには「君が死んでしまいたいほど自分を責めるのは、君が正しい生き方を強く求めているからだ」と書かれてあった。苦しんだ先にこそ成長がある。コペル君は勇気を出して正直に真情を吐露する手紙を書き、こうして4人は仲直りするが、ここの大人たちのかかわりが重要だと思った。子どもに苦労をさせることは親や大人として耐えがたいことではなく、むしろ苦労させ、自分の頭のなかでしっかりと善悪を考えたり、悩むべきは悩ませ、正しく対人関係を切り結んでいくようにさせていくことや、過ちは正すことが人間としてのまっとうな生き方なのだと教えている。それは子どもに限らないことだ。
E 叔父さんのコペル君に対するかかわりは学ぶことが多いし、ぜひ教育者に読んでほしい本でもある。子どもの全精神生活に立ち入って人間として成長させるという点でヒントも多いと思う。以前は中学生になると、とくに国語の教員が推奨していたものだが、子どもだけが読む本でもない。「君たちはどう生きるか」という永遠のテーマは一般の読者が読んでも考える内容が多い。
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