ヨウソロ arttic column
March1,2021 vol.38 「孝行」
日本の諺に孝は百行の本(こうはひゃっこうのもと)という諺があります。
孝は父母を大切にする意味。
「百行」は、すべての善い行いの意味です。
つまりは親孝行はすべての善い行為の基本になるものだということを意味しています。
私はこの諺の「孝」を「公」に変えて、社会全体と置き換えて解釈しています。
先日スタッフになぜ親孝行をしなければいけないのかを聞いてみたところ「自分を産んでくれた親に感謝する為」と、答えが返ってきました。
とても優しい心を持ったスタッフだと、嬉しい気持ちになりました。
私も数年前に同じような気持ちで両親に親孝行旅行と題して、海外旅行をプレゼントしたことがあります。
実際にやってみて、親へ何かをしたことへの達成感を感じた時に、答えは逆なんだと気づかされました。
親孝行とは究極の自己満足です。
もし親が亡くなった時、親の墓前で自分は何をしただろうかと自問自答し、答えのでない一生悩み続ける人生にはしたくないなと感じました。
人は多少の後悔は仕方がないと思えても、一生背負う後悔はできればしたくないものです。
これは「孝」だけではなく、社会全体としての意味である「公」でも同じことが言えます。
自分が後悔しない社会人生活をおくる為に、すぐにできることがあります。
それは「ありがとう」と日々相手に感謝をすることだと思います。
私も会社を経営してる立場上、スタッフの親代わりのような立場です。
今までに何度もスタッフからの「ありがとうございます」に救われてきました。
見返りを求めず日々感謝の気持ちを忘れない、これこそが本当の意味での社会的な孝行ではないでしょうか。
親思う心にまさる親心けふのおとずれ何ときくらん
吉田松陰
「私が両親を思いやる心以上に私を思ってくれる両親の真心、今日の私の死の知らせをどう思うだろうか」と言う意味です。
人はその立場にならないと気づけない事が沢山あります。
親の気持ちは親になってはじめて気づくものかもしれません。
自分のことを大切に思ってくださっている周りへの感謝の言葉を忘れずに伝えて、後悔のない人生にしていきたいと思っております。
ありがとうございました。