埋込み型マイクロチップ開発:注射の煩わしさから開放される | 医薬翻訳のアスカコーポレーション 社長ブログ

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大阪北浜、東京田町にオフィスを持つ医薬・バイオ分野の語学サービス会社 アスカコーポレーション社長 石岡映子のブログ。

植込み型マイクロチップで骨粗鬆症治療薬を送達する、という画期的な技術がScience Translational MedicineにRapid Publicationとして16日に発表された。Implantable Microchip Delivers Osteoporosis Medicine


遠隔操作のボタン一つで薬剤を放出する植込み型マイクロチップを、米国マイクロチップス社のFarra氏らが医師たちと共同開発した。デンマークの骨粗鬆症の女性集団を対象として行われた臨床試験では、いつでも好きな時にワイヤレスの遠隔操作で薬剤を体内へ放出できるマイクロチップが初めて検討された。これにより、医師は患者の薬剤をコンピュータやスマートフォンで調節することが可能。重度の骨粗鬆症患者は、毎日の薬物注射を、場合によっては最長2年間も自分で行わなければならないため、マイクロチップは魅力的だ。
骨粗鬆症は「静かな」疾患と呼ばれ、骨密度が減少しても患者は良いとも悪いとも感じないため、毎日注射をするという煩わしさから逃れるため注射をやめてしまう。マイクロチップを植え込めば、服薬遵守率が改善され、何百万人もの骨粗鬆症患者のQOLを劇的に高めることができる。
チップ内の小さな穴に1日分の用量を保持させ、事前にプログラムされたスケジュールか、またはワイヤレスの信号により薬剤を放出する。65~70歳の女性7人に対し、腰のすぐ下にペースメーカー大のマイクロチップを植え込み、女性を12カ月にわたり追跡調査したところ、薬物のテリパラチドが毎日注射した場合と同様に送達されることが示された。
この治療により、骨形成、骨量および骨吸収を示す生化学的マーカーが認められたことから、骨形成の改善と骨折リスクが低減された。
原文はhttp://stm.sciencemag.org/ で読むことができる。


私は痛がりで、注射はかなり苦手だ。今でも採血時、注射針を見るだけで震える。自分で注射するなんてとてもできそうにない。私が骨粗鬆症で苦しむ前に実用化してほしいものだ。反面、遠隔で薬剤が体内に送り込まれるとなると、それはそれでちょっと怖い気がする?