ASCA Bulletin 17号が完成。会社のロゴ、編集メンバーが新しくなったので、デザインなどの誌面が刷新され、涼しげでさわやかなテイストに仕上がった。
特集“プロフェッショナルに聞く”では、シカゴ大学の中村裕輔先生に取材させていただき、「プレシジョン医療が日本を救う:イノベーションからリノベーションへ」と題して記事を掲載させていただいた。
「プレシジョン医療」とは、細胞を遺伝子レベルで分析し、最適な薬剤で治療すること。遺伝子、環境、ライフスタイルなど、個人の違いを考えて予防や治療法を確立すれば、副作用を減らし、医療費の増大も抑えられる。
中村先生は大阪大学医学部のご出身で、外科や救急医療に携われた後、遺伝とがんの関連を研究されるために渡米、帰国後、1995年には東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター長に就任されている。ヒトゲノムという単語がようやく聞かれるようになった頃だ。その後、理化学研究所ゲノム科学研究センター長、国立がん研究センター研究所所長など、日本のゲノム医療の第一人者、牽引されてきた先生である。「基礎研究をするにも、行政に携わるにも、まずは医療の現場に出ること」と説いていらしたのが印象深い。
プレシジョンメディシンの進化にはデータが必要である。
ただ、膨大な医療データを管理するにもリスクがある。“最新テクノロジー紹介“ではビックデータのリスクとソリューションを紹介している。
その他、“現場に行こう”ASCA Academy ふーちゃんの内分泌学会ツアー、の紹介や「メディカルライティング~忘れちゃいけない倫理規定~」の「利益相反」の説明など。今さら聞けない有用ポイントだ。
Scienceの論文紹介では“腸内病原菌”のお話し。若い研究者が世界で認められた。日本の研究も捨てたものではない。
多くの人たちの知恵の結集、関係者の皆様のご協力の賜物である。
編集委員の皆さまご苦労様。
ありがとうございました。
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