Science12月22日号で2017 Breakthrough of the Yearが発表された。今年一年の科学のトップニュースであるが、やはり予想通り、Cosmic convergence、中性子星合体が史上初めて観測されたニュースだ。1億3000万光年彼方にある2つの中性子星が螺旋軌道を描きながら接近しつつ、重力波と呼ばれる時空構造のさざ波を発生させ、この重力波が地球上に配備された巨大な重力波検出装置によって感知された、という。昨年のBreakthrough of the Year、今年のノーベル物理学賞が与えられた発見である。
その他は、同じくノーベル化学賞も受賞した、極低温電子顕微鏡の研究で、ウイルスなどのたんぱく質の構造を原子レベルで把握できるようになり、体内で起きる様々な反応を解明したり、治療薬を開発したりするのに役立つのだと。
私たちの種であるホモ・サピエンスの化石で、モロッコの洞窟からなんと30万年前のものが見つかったというニュースも。
ゲノム編集も進化した。
プレプリント（preprint）という、査読の前にインターネット上のサーバーにアップした論文に関する話題もホットだ。
やはり今年は免疫チェックポイント阻害療法の研究だろう。
遺伝性の神経筋疾患で生まれ、今までなら助からなかったのに、今回初めての遺伝子治療が成功したニュースも感激的だ。
などなど。
Breakthrough of the Yearに合わせ、Breakdown of the Yearニュースも発表される。今年はとりわけ注目に値する。トランプ大統領の科学政策や、#MeToo、セクシャルハラスメント問題など。
とにかく世界も科学会もあわただしい一年だった。
今年はビデオも充実、是非楽しんでほしい。
http://vis.sciencemag.org/breakthrough2017/finalists/#cosmic-convergence
今翻訳を行っているので、まもなく日本語で紹介する予定だ。こうご期待。