秋頃いよいよ家での介護は無理となったんですが
専門医の外来の予約を取った上で父を搬送中にわざと救急車を呼ぶというウルトラCな方法で希望していた隣県の救急病院に入院させました。
罪悪感は否めませんが診察だけで家に帰されたら命に関わる、と思い必死でした。
その昔、父が銀行の営業マンだった頃
お客様を招待した電車の旅行で1人が飲み過ぎで体調を崩したそうです。
父は踏み切りに救急車を待機させるよう車掌に連絡してもらい、
当時の国鉄を停まるはずのない踏み切りで停車させ病人は救急車で病院へ、旅行は続行。事無きを得たという話が好きで
案の定、父は私のやり方にとても感心して「ありがとうな」と何度も言ってくれました。
まぁ、父さんの娘だからね。
もう声も出ない父の、手なんか握ってると看護師さんが入って来たとたんに力を振り絞って振り切るので
ああ恥ずかしいのか、最期まで男らしいな…
と変に感心したりもしました。そんな父でした。
一口しか食べられないのに何度かすき焼きと半熟卵を持って来て欲しいと仕事中に電話があり「分かった」と答えたものの
詰まるスケジュールを前にさてどうするという気持ちに一瞬なったりもしましたが、
スタッフに任せられるところは任せ、病院には時間外の面会を許可してもらい、仕事の前か後に毎日通いました。
母、兄、姉はそれぞれカバーできる所を補い、息子にも負担をかけながらそれでも
ワガママをできるかぎり聞いてあげられたことが、今となっては後悔が少なくて逆に良かった様な気がします。
仕事と子育てをしていると忙しい毎日の中で小さな幾つもの決断を日々迫られます。
優先順位を付けて、大事なものはどれなのか間違えないように。
そんな"決断"が少し上手になったのも
仕事と子育てのおかげだなぁ、と思うわけです。あ、今回は父にも育てられたな。
不思議と悲しくはないです。
寂しいですけど。
父が亡くなって
思いがけずお悔やみの声をかけてくださる人、見守ってくれる人、気持ちを聞いてくれる人。ネット上の"いいね"ですらも
思いやりのかたちは様々だけどその奥に優しい気持ちをひしひしと感じたので
上っ面の言葉は意味がない、とやっぱり思ったし
改めて人の温かさを感じた年でした。
キャッチ&リリースしてかないとな。
2014の最後に
皆さんに感謝申し上げますm(_ _)m
来年もよろしくお願い致します。