なまけんぼう | アトリエぽーぽー

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『アトリエぽーぽー』は、創作を楽しむ絵画教室。
講師あけやまひかるは、お月謝袋やレターセットなど、クラフト製品の販売も行っています。
このブログは、生徒さんと保護者さまへ発信していますが、
絵や工作について、みなさまのご参考になれば幸いです。

なまけんぼう


4年生に読み聞かせした本です。

このなまけんぼうときたら、いつも、さくらんぼうがひとりでに口の中に落ちてきて、それを誰かが噛んでくれるのを、待っていました。

怠惰というより、不潔ですね。


あるとき、どうしたら働かなくても暮らしに困らないか、やさしい魔法使いのところへ行って、聞いてみようと思い立ち、旅に出ます。

道の途中で、はげはげのおおかみに会いました。

なまけんぼうが魔法使いのところへ行くと知り、それならどうしたら毛がふさふさになるか聞いてほしい、と頼みます。

また道の途中で、葉の枯れたぶどうの木に会いました。

なまけんぼうが魔法使いのところへいくと知り、それならどうしたら新しい葉っぱが出てくるか聞いてほしい、と頼みます。

また道の途中で、のどが膨らんだ魚に会いました。

なまけんぼうが魔法使いのところへ行くと知り、それならどうしたらのどが治るか聞いてほしい、と頼みます。


さて、魔法使いはこう答えます。

「おおかみに伝えなさい。どうにもしかたのないなまけんぼうの心臓を食べれば、毛がはえてきますと」

「ぶどうの木に言いなさい。昔、根本に埋めた金貨のはいった壺を掘り出せば、葉が出ますと」

また魚には「のどに宝石がぎっしり詰まっているので、誰かがのどをかき切って宝石を取り出せば楽になります」と。

そうして、来た道を引き返し、ちょっと頭を使えば、なまけんぼうもしあわせに暮らせると、魔法使いは言いました。


そうです。

なまけんぼうが、ぶどうの木の根本の金貨を掘り出してやり、魚ののどの宝石を取り出してやれば、そうしてそれを持って帰れば、一生、楽に暮らせると、魔法使いは教えてあげたんですね。

なのにこのなまけんぼうときたら、めんどくさがって、やってあげなかったんです。

結末?

どうにもしかたのないなまけんぼうは、おおかみにぱくりと食べられてしまいましたとも。