ダニエルのふしぎな絵 | アトリエぽーぽー

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『アトリエぽーぽー』は、創作を楽しむ絵画教室。
講師あけやまひかるは、お月謝袋やレターセットなど、クラフト製品の販売も行っています。
このブログは、生徒さんと保護者さまへ発信していますが、
絵や工作について、みなさまのご参考になれば幸いです。

ダニエルのふしぎな絵

ダニエルは絵を描くのが好きな女の子です。

ダニエルの描く絵は、ちょっと不思議。

踊るコウノトリ、おしゃれをしたきつね、空飛ぶカエル、シルクハットをかぶった鳥、足のはえた魚、巨大なバラ…。


写真家のお父さんには、それが不満です。

どうして目に見える通りに描かないんだろう。


ダニエルはお父さんが大好きなので、お父さんの言うように、写真のような絵を描こうとします。

でも、なぜか退屈で、筆が進みません。

どうしても、空想がひろがり、手が勝手に動いて、不思議な絵を描いてしまうんです。


あるとき、お父さんが高い熱を出しました。

写真を売って、その日暮らしをしていた親子は、たちまち生活に貧窮してしまいます。


ダニエルもお父さんの真似をして、写真を撮って売ろうと思い立ちますが、なかなかうまくいきません。

苦戦していると、女の人が通りかかりました。

画家のカミーユ・ブトンさんは、ダニエルが気の毒になり、家へ連れて行きます。

そこには、不思議な絵がたくさん飾ってありました。


ブトンさんは、ダニエルを助手にすることにしました。
お給料ももらえて、ダニエルは大喜び。

絵も見てもらえることになり、こんな絵では画家になれない、と思っていたダニエルに、光芒が見えました。


お父さんも、「この子はこの子で、自分の道をみつけたんだな」と感心します。

お父さんとダニエルが、お互いを慈しみ合う、ほろりとするストーリーもさることながら、繊細でクラシカルな絵がものすごくいいです。

ダニエルの描いた絵が、また上手で、とても少女の絵とは思えません。

この才能なら、認められて当たり前、という気がします。

なごみ系ではありますが、「さあ、自分の道をみつけよう」という啓蒙的なお話と言えなくもありません。