ほんとうのことをいってもいいの? | アトリエぽーぽー

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『アトリエぽーぽー』は、創作を楽しむ絵画教室。
講師あけやまひかるは、お月謝袋やレターセットなど、クラフト製品の販売も行っています。
このブログは、生徒さんと保護者さまへ発信していますが、
絵や工作について、みなさまのご参考になれば幸いです。

ほんとうのことをいってもいいの?


「オルボスにえさと水をやったの?」

「やったわ、ママ」と咄嗟に嘘をついてしまったリビー。

「ほんとうのことをいってごらんなさい」と詰問され、リビーは嘘を認めます。

苦しくて、涙があふれてきます。


リビーは生まれて初めて嘘をついたのでした。

そして「これからは、ほんとうのことだけをいおう」と誓います。


親友のルーシー・メイに「くつしたにあながあいているわ」とみんなの前で言い、地理の時間には「ウィリーは宿題をやっていないんだって」と先生に言いつけます。

デイジーがクリスマスの舞台でセリフを忘れて恥をかいたことも、チャールゼッタが先生の家の木から桃を取ってお尻を叩かれたことも、トーマスにお昼ごはんを買うお金がなかったことも、得意げに話してしまいます。


学校が終わる頃には、だれもリビーと口をきいてくれなくなりました。


本当のことを言っているだけなのに、どうしてこんなにおなかが重いのかしら。


ママに相談すると、ママはこうアドバイスしてくれました。

「ときどき、ほんとうのことを、いわなくてもいいときいってしまうことがあるのよ。いいかたがわるかったり、いじわるでいってしまったりね。そうしたら人をきずつけてしまうの。でも、おもいやりをもってほんとうのことをいうのは、ただしいことなのよ」


その後、リビーは可愛がっている馬のオルボスを「そんな役立たずの馬じゃ、1ドルにもならないわ」と本当のことを言われて、傷つきます。

そうして悟りました。

本当のことをいうとは、どういうことか。


ルーシー・メイの靴下に穴が空いていることは、みんなの前ではなくて、こっそり教えてあげればよかったんです。

ウィリーが宿題を忘れたことは、リビーが言いつけるのではなくて、ウィリーが自分でいうのを待つべきでした。


リビーは、本当のことを言って傷つけてしまった人たち、みんなに謝りました。


この本を読み聞かせると、みんな、なるほどなーという顔をします。

ほんとうのことを言う、の意味がとっても理解しやすく書かれているからです。


ですが、私はあえて、こう付け加えています。

実践するのは、難しい、と。


なぜなら、何を言われると傷つくか、人によって違うために、もしも自分がその人だったら、と想像したところで、その想像が合っているかどうか、わからないからです。

自分は思いやりをもって言ったつもりでも、相手にはとってはお門違い、ということはよくあることです。


リビーが一番偉かったところは、間違いに気づいたとき、みんなに謝ったことではないかしら。

謝るのもまた難しいことです。


難しいからこそ、実践することに価値があるんですね。