せかいでいちばん手のかかるゾウ | アトリエぽーぽー

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『アトリエぽーぽー』は、創作を楽しむ絵画教室。
講師あけやまひかるは、お月謝袋やレターセットなど、クラフト製品の販売も行っています。
このブログは、生徒さんと保護者さまへ発信していますが、
絵や工作について、みなさまのご参考になれば幸いです。

せかいでいちばん手のかかるゾウ

本当のお話、と聞いて、子どもたち、興味津々です。


井の頭自然文化園という動物園に、ゾウのはな子がいます。

はな子は、日本にいるゾウの中で、一番のおばあさん。

人間は年を取ると歯が抜けますが、ゾウもそうです。

はな子には、歯が1本しかありません。

そのため、普通の食事ができないのです。


普通のゾウは、きゃべつは丸ごと、竹も藁もむしゃむしゃ食べます。

でもはな子は、きゃべつなら芯を取って8つに切り、バナナは皮を剥いてやり、にんじんは蒸して刻み、青草は短く切り、果物は細切り、ごはんはおにぎりにしなくてはなりません。

1個や2個ならたいした手間ではありませんが、1日に食べる分量が、バナナ200~300本、にんじん10キロ、食パン10斤、キャベツ4キロ、おにぎり12個、青草10キロ…、というからたまりません。

それでも健康なゾウの半分くらいの量ですから、栄養をつけるため、黒糖をお湯で解いた黒糖湯を70リットル!

鼻の力が衰えないように、わざとパンをあちこちに置いて、運動させるなどの工夫もしています。


ゾウは神経質な動物で、すぐ変調をきたすため、ここまで来るのも大変な道のりだったのです。

野菜をジュースにしたり、おからの団子を作ったり。

うんちが出なくなって、お尻の穴から水を入れて治療をしたり、冬は部屋を暖房で暖め、夏は冷房で冷やし。


はな子の長命は、飼育係さんと獣医さんの努力と愛の賜物です。

はな子はせかいでいちばんしあわせなゾウではないでしょうか。

今年で68歳。


ゾウのはな子と言えば、戦時中に亡くなったはな子を思い出す方も多いと思いますが…。

そのはな子にあやかった命名だそうです。