チョコレータひめ | アトリエぽーぽー

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『アトリエぽーぽー』は、創作を楽しむ絵画教室。
講師あけやまひかるは、お月謝袋やレターセットなど、クラフト製品の販売も行っています。
このブログは、生徒さんと保護者さまへ発信していますが、
絵や工作について、みなさまのご参考になれば幸いです。

チョコレータ姫



あれ、樋上公実子さん、絵本の絵も描いてらっしゃるんですね。
大人向けの絵だと思っていましたが、読み進めるうち、甘いロマンスのこの絵本は、樋上公実子さんの絵がぴったり、と確信しました。

チョコレータ姫は、スイーツが大好きです。
毎日、毎日、お城のパティシュエが焼く、一流のお菓子を食べていましたが、それだけでは飽き足りません。
王様は可愛い姫のために、遠くからもお菓子職人を呼び寄せ、また珍しいお菓子を持ってきた人には、たくさんの金貨や銀貨を与えました。

あるとき、お城に風変わりな男がやってきました。
恭しく差し出したのは、一粒のチョコレートボンボン。
「これは ひとたび めしあがると、てにふれたものが すべて おかしにかわるという まほうのチョコレート『アステーオ』というものでございます」

チョコレータ姫は、さっそくそのアステーオを口に入れていました。
あまりの美味しさに、なんとも幸せな気分にゆうらり。

それからと言うもの、チョコレータ姫の触れるもの触れるもの、みなお菓子に早変わり。
ほかほか香ばしいパンケーキの布団、しっとりしたロールケーキの枕で、お姫様はあまい夢を見ながら、ぐっすり眠ります。

一方、お菓子職人たちは、とたんに暇になりました。
もう作る必要がなくなってしまったんですもの。

お菓子職人の中にカカオという青年がいました。
チョコレータ姫とは年が近く、気さくに話し合える友人です。
そのカカオも、転びそうになったお姫様を支えようと触れた途端、チョコレートになってしまいました。

さすがのお姫様も、これには呆然。
自分に備わった魔法の力を、初めて、悲しく思いました。
そしてカカオを愛していることに気づいたのです。

チョコレータ姫が飼っている、うさぎのパックが、魔法を解く方法を教えてくれました。

カカオの魔法が解けると、城じゅうの魔法も解け、お城には平和が戻ってきました。
お姫様とカカオが結婚したことは、言うまでもありません。

というバレンタインデーにちなんだお話でしたが、バレンタインデーは終わってしまいました。

ところで、しばしば強調されている『アステーオ』には何か意味があるのでしょうか。
ネットで検索すると、アステオというトイレしかヒットしないのですが。