きょうはよいてんき | アトリエぽーぽー

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『アトリエぽーぽー』は、創作を楽しむ絵画教室。
講師あけやまひかるは、お月謝袋やレターセットなど、クラフト製品の販売も行っています。
このブログは、生徒さんと保護者さまへ発信していますが、
絵や工作について、みなさまのご参考になれば幸いです。


きょうはいいてんき


うららかな天気に誘われて、一匹のきつねが森から散歩にやってきました。
あんまり歩いたため、喉がからから。
見るとそこに、ミルク壺。
ぺろぺろなめていると、空っぽになってしまいました。

「こら! きつねめ!」
おばあさんは怒って、きつねのしっぽをナイフで切り落としてしまいます。
「元通りに縫い付けて」ときつねが泣いて頼んでも、ミルクを返さない限りはしっぽも返さないと、怒りを鉾におさめてくれません。

きつねは、ミルクを求めて、牛を探しに行きました。
出会った牛に、ミルクを分けてくれと頼みますが、草と引き換えだと断られます。
草を探しに原っぱへ行き、原っぱに草を分けてくれと言うと、水と引き換えだと言われます。
水を求めて小川へ行くと、小川は、水差しをもっていらっしゃいと答えます。
水差しを持った女の人に首尾よく出会い、水差しをくださいと頼むと、青いガラス玉をくれたらね、とにっこり。
行商人を見つけ、ガラス球をくださいというと、卵と交換してやるとぶっきらぼうな答え。
鶏に、卵をくれと頼むと、小麦を持ってきたらね、とクールに言われます。
粉ひきのおじいさんに、泣く泣く小麦粉を分けてくれと言うと、親切はおじいさんは、キツネに同情して、無条件で小麦粉を分けてくれました。

こうしてやっと、きつねは、小麦粉をにわとりにやり、卵を行商人にやり、ガラス球を娘にやり、水差しで汲んだ水を原っぱにやり、草を牛にやり、牛からミルクをもらうことができました。
おばあさんにミルクを返すと、約束通り、しっぽを丁寧に縫いつけてくれました。

「でもどうしてこの本のタイトルが、きょうはいいてんきなんだろう」

読み終わると子どもが言いました。

ほんと。