色ものがたり(7)固有色名〜灰色系統 | アトリエぽーぽー

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講師あけやまひかるは、お月謝袋やレターセットなど、クラフト製品の販売も行っています。
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絵や工作について、みなさまのご参考になれば幸いです。

灰色系統


<ねずみ色>
おそらく世界で一番灰色の種類が豊富なのは、日本でしょう。
というのも、江戸時代に「わび、さび」が粋とされ、身分の高い人から低い人にまで、幅広く好まれたからです。
俗に「四十八茶百鼠」と言い、茶色は48種類、ねずみ色は100種類あったとか。
実際に数えたのかどうかはわかりませんが、そのくらいたくさんあったんでしょうね。
灰色のことを一般にねずみ色といいますが、正確には、ねずみ色と灰色は、ちがいます。
ねずみ色は灰色より、すこし青みがかっています。

<小町鼠(こまちねず)>
ねずみ色の中で最も白っぽい色。
江戸時代に、日本の歴史上で一番美人なのは、平安時代に活躍した歌人、小野小町だと言われていました。
それで、ねずみ色の中で最も美しい色を、小町鼠と呼ぶことにしたそうです。

<もぐら色>と<トープカラー>
茶色がかった灰色。
フランス語で「もぐら」は「トープ」と言い、トープカラーは、ナチュラル派のフランス人に、ファッションやメイクの世界で好まれているそうです。
が、フランスのトープカラーは、やや茶色味が強く、日本のもぐら色はやや灰色味が強いような気がするんですが…。
調べてみたら、トープカラーに該当する日本の色は「もぐら色」ではなく、「赤鈍色(あかにびいろ)」なんですって。
鈍色(にびいろ)は、平安時代の、灰色の一般的な総称です。
日本のもぐらとフランスのもぐらは、からだの色が違うのでしょうか。