半日村 | アトリエぽーぽー

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『アトリエぽーぽー』は、創作を楽しむ絵画教室。
講師あけやまひかるは、お月謝袋やレターセットなど、クラフト製品の販売も行っています。
このブログは、生徒さんと保護者さまへ発信していますが、
絵や工作について、みなさまのご参考になれば幸いです。

5年生の教室で、読み聞かせをしました。
娘のクラスなんですが…。
「ママ、余計なこと言わないでね」
「ママ、練習した? 何回した? 3回? じゃあ大丈夫ね」
などと、小姑のようなことを…。

いつもは2人ペアですが、今日は私ひとりで3冊読まなくてはなりません。

吟味して選出した、それぞれ違うタイプの絵本3冊。
『半日村』『いくらなんでもいくらくん』『すてきな三にんぐみ』

まずは『半日村』から。
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半日しか日が当たらないから、半日村。
朝、東から太陽が出ても、後ろにある高い山に、遮られてしまい、午後しか日が差さないのです。

日照時間が半分しかないのですから、お米もよその村の半分しか採れません。
それで半日村の村人たちは、みんな痩せて、青白い顔をしていたそうな。

一平という子どもが、ある朝、袋をかついで、山に登ります。
てっぺんにつくと、袋に土を入れ、下山すると、袋の土を湖にざあっと空けます。
何度も繰り返すので、近所の子どもたちが訊いてみると、
「おらは、あの山を、湖に埋めちまおうと思ってるんだ」
と答えるので、大笑い。

それでも一平は、袋をかついで山に上り、また降ります。

そうするうち、真似をする子どもたちがでてきました、
ひとりふたりが、三人四人。
やがて「袋なんかじゃハカがいかねえ、そういうときはもっこを使うもんだ」と協力するおとなが出来てきて。
ひとりふたりが、三人四人。

こうして何年もたち、おとなは死に、子どもはおとなになり、子どもの子どもが、もっこを担いで、山を上っては降り。

そしてとうとう、にわとりが鳴くと同時に、村の田んぼに朝日がさしました。
山の土で埋められた湖は、田んぼになり、稲がそよそよ。

それから半日村は一日村と呼ばれるようになりました。